引きこもりと出家

昨日は、高齢化する引きこもりについて書きました。
今まで、ほとんど注目されていませんでしたが、調査してみると39歳以下の引きこもりよりも大勢の方が存在する事が判ったそうです。

これまで中高年の引きこもりに対して、公的なケアもされていなかった事もあり・・・このまま高齢化が進むと、親の介護が必要となったり、親が亡くなってしまう事も考えられます。
事実、親子が亡くなっているのが発見されたケースでは、引きこもりの娘が母親の年金で暮らしていたのですが、母親が病死したため、娘は衰弱死してしまったそうです。
このまま高齢化する引きこもりの問題を放置していると、このようなケースが増えると考えられます。

若者の引きこもりは、いじめ等により不登校となり、そのまま引きこもりになるパターンが多いといいますが・・・中高年の引きこもりは、一旦就職したけど、パワハラなど職場で嫌な思いをしたというパターンが多いらしいです。
さらに、リストラや派遣社員が増えて正社員が減ったなどという社会状況の変化も影響しているみたいです。
もちろん、現在、引きこもっている方へのサポートも重要だと思いますが・・・新たな引きこもりを発生させないような取り組みも大事な気がします。

ところで、私は引きこもりの方の心情が判らないので・・・つい、面倒をみてくれる親がいがいるから、甘えて引きこもれるのじゃないか?なんて思ってしまいます。
なんとなく、現在は生活が豊かになったから、引きこもりが増えたような気がしていたのです。

でも、よく考えると・・・昔は、出家するというのが、現世が嫌になった人の受け皿になっていたのかもしれません。
現在では、僧侶として暮らして行くのも大変みたいだし・・・もちろん、昔も仏教の修行をするために僧になる人もいましたが・・・出家して庵に独りで住むみたいな僧もいました。
ちなみに、世間との因縁を断つというのが、お釈迦様の教えなら・・・引きこもりの人は、かなり近い境遇なのかもしれません。
ひょっとすると仏教が引きこもり対策の役にたつのかも?なんて思ってしまいました。