金正恩の自信

昨日と今日のNHKスペシャルはシリーズ金正恩の野望の第2集と第3集でした。
朝鮮労働党中央委員会で、金正恩委員長が核実験と大陸間弾道ミサイルの試験発射を中止し、核実験場を廃棄する事を発表した直後なので、注目しました。

今日の番組の冒頭で、その北朝鮮の発表に触れたナレーションが入りましたが・・・番組の制作には、かなり時間がかかるので、既に完成した番組に付け加えたのでしょう。
なんとなくNHK職員が、発表のニュースを聞いた時の、慌てぶりが目に浮かぶようです。

それぐらい、予想外の発表だったのですが・・・その意図を素直に受け止めて歓迎する意見と、疑いを持ってみる意見に分かれています。
おそらく、後者の方が正しいと思うので・・・結果として、発表に惑わされる事なく制作したため、番組としては、これで良かったのではないでしょうか?

あの発表は、他にも、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線から経済発展に重点を置くことや、周辺国や国際社会と緊密に連携、対話していく方針も述べられています
その点について・・・昨日の番組の冒頭が、この冬、日本海側に漂着した北朝鮮の漁船から始まったのが、皮肉でした。。
まさに、経済発展なんかよりも、核開発を優先する意図・・・39号室が世界中で麻薬など違法な事をしてまでも、外貨を稼ぐ必要性は何だったのか?
今日の番組で取り上げた、サイバー攻撃部隊による核技術などのハッキングなんかも、対話路線を目指すとは思えません。
つまり、経済発展や対話路線を目指すという点も、詭弁なのでしょう。

先日、放送された第1集で語られたように、金正恩委員長は暴君ではなく緻密な戦略家らしいですが・・・兄や親族までも壁で粛清する人間だという事も忘れてはいけません。
もっとも、そのような優秀な人間だから・・・外交で上手く立ち回る自信があるのでしょう。

番組を視ていて・・・度重なる粛清で、金日成金正日の時代よりも、独裁体制を強め・・・他の人の意見も聞かないような人間なら・・・その強い自信が裏返せば弱点なのかもしれない、と思いました。
ひょっとしたら、会談の場に引きずり出したことは、彼の自信のミスをついて野望を諦めさせるチャンスなのかもしれませんね。