人がキレるワケ

ちょっと前になりますが・・・土日に放送されたNHKスペシャルは、「ニッポンの家族が非常事態!?」というシリーズで・・・土曜日が「第1集 わが子がキレる本当のワケ」、日曜日が「第2集 妻が夫にキレる本当のワケ」というタイトルでした。

世間でよく見かける、いわゆる反抗期の子供が意味もなくキレる事や妻が些細な事で不機嫌になる事について、その原因を脳科学の研究により解き明かしたものです。

大人と子供、あるいは男と女、その脳の部分の働きが異なっているのが原因なのですが・・・その違いは、太古の人類の暮らし方によるというのが面白かったです。

例えば、若い人の方がリスクを好むのは、集団から離れて新天地を目指すという本能が備わっているからで・・・歳をとると現在の生活を守らなければならないので、行動が保守的になってしまうそうです。

あるいは、女性が相手の感情に共感しやすく、感情的な出来事を忘れないのは、村で集団生活をする上で、摩擦をおこさないためで・・・この点、男性は狩猟に出るので、感情に気をとられていられないからだそうです。

こうしてみると、文化的に生活は変化したけど、人類の動物としての能力は、その変化について行っていないのが判ります。
一見、生活は楽になったように思えますけど・・・微妙なところにしわ寄せがきていているのかもしれません。
道徳的には、キレるのが悪いと思っていても、本能では我慢ができなくなっているのですね。

番組では、最近、特に目立つようになっているのは、スマホの普及や夫婦共働きなどによる影響だと言っていました。

そういえば、最近の若者は、車離れ、バイク離れ、ギター離れ、音楽離れ等が言われていますが・・・これらは、昔の若者にとっては、反抗の象徴だったような気がします。
いわゆる、ガス抜きのような存在が、今の若者には欠如しているのかもしれません。

また、夫婦共働きで主婦の負担が増えている事なんかよりも・・・核家族化や近所づきあいが減った事で、主婦にとって共感してもらえる対象が夫だけになった事が原因のような気がします。

余談ですが・・・従来、歳を取ると穏やかな性格になると言われていましたが・・・最近は年寄りもキレる事が増えたという話もあります。
こちらは、脳科学や太古の暮らしとは関係はないですが・・・、やはり生活の変化によって、年寄りが大事にされなくなり、日々の暮らしが苦しくなっているからだと言われています。
そういえば、孫に囲まれて、のんびり余生を過ごすなんていう年寄りは、めっきり減ったような気がします。

やはり、キレる人が増えるのは、社会になにかしら問題があるからなのでしょうか?