昨日は、一昨日放映されたNHKスペシャル「”がん治療革命”が始まった プレシジョン メディシンの衝撃」について書きました。
従来の部位による癌治療と異なり、遺伝子分析による癌治療という新しい取り組みで・・・とても、興味深い内容でした・
・・・というのは、先日見に行ったダリ展を取り上げた「ダリの正体!?」という番組だったからです。
なかでも、思わず同意してしまったのが・・・横尾忠則さんが、シュール・レアリズムを描くようになる以前の作品を、こんなのは誰でも描くから、見る必要が無い、と言った事でした。
確かに、そこそこ上手い現代絵画なのですけど・・・一流と言えるほどの物ではなくて、面白みに欠けるものでした。
ちなみに、横尾忠則さんは、実際に、ダリに会ったことがあるそうで・・・意外な事に、普通の人だったそうです。
番組の中で、ダリの妻のガラの影響について「サルバドール・ダリという作品ガラが作った」と言っていましたが・・・確かに、ガラに出会ってから、ダリの作品が素晴らしくなったような気がします。
という事は、有名なシュールレアリズム作品は、ダリとガラの共同制作によるもの、と考えても良いような気がします。
そう考えれば、ガラが亡くなった後の、ダリの作品のつまらなさにも、納得がいきます。
また、番組の中で、ダリを好きな寺田克也さんが、特に気に入っている「子ども、女への壮大な記念碑」という作品について語っているときに、頭の中にあるもの組み合わせて描いていると述べていました。
私は、この作品を見た時、石化した人間など、エルンストの影響を受けていると感じたのですが・・・この言葉を聞いて、エルンストとダリの違いに気づきました。
エルンストは、偶然に現れた図形を元にイメージを膨らませて描いているのに対して、ダリは、頭で一から奇妙な物を考えて描いているのだと思います。
このため、エルンストの作品は、難解ですが神と交信して描いたような天才性を感じるのに対して、ダリの作品は判り易く人間味を感じるのだと思います。