プレシジョン・メディシン

今日もNHKスペシャルの話題です。
昨日、放送されたのは、「”がん治療革命”が始まった プレシジョン・メディシンの衝撃」というタイトルで・・・2年前に、立て続けて姉夫婦が癌で亡くなった事もあり、興味深く拝見しました。

ところで、このタイトルですが・・・楽器弾きにとっては、プレシジョンといえば、ついフェンダープレシジョン・ベースを思い浮かべてしまいますね。
ちなみに、プレシジョン・ベースという名前は、それまでのウッド・ベースと異なり、フレットを採用した事により、正確な音程が得られる事から名付けられたと言われています。
そんな事から・・・てっきり、プレシジョンは正確という意味かと思っていたのですが・・・ プレシジョン・メディシンには「精密医療」という日本語訳がついていました。

で、その内容なのですが・・・癌細胞は、遺伝子の変異によって発生する点に注目し、変異した遺伝子がどれであるか分析する事により、その遺伝子変異に効く薬を投与する治療法の事のようです。

これまでの癌治療は、癌の発生した部位に対して、有効と言われる抗がん剤を投与していたのですが・・・同じ部位で発生した癌でも、人によって変異した遺伝子が異なっているそうです。
だから、人によって、抗がん剤は投与してみないと効くかどうか判らなかったのです。

未だ、臨床試験の段階のようですが・・・・このように、臓器での縦割り治療でなくて、遺伝子解析によって最適な薬を選ぶというのは、従来にない、画期的な取り組みだと思いました。
なお、プレシジョン・メディシンは、正確な治療といった意味で合っているような気もします。

もっとも、どの遺伝子変異に対して、どの薬が効くというリストを作ったときに、すべての遺伝子に対して、効く薬がある訳ではなく、遺伝子によっては、一つも効く薬が無いという場合もあるそうです。
また、効く薬があったとしても、他の部位用の保険の認証しか受けていない事も多く、高額の治療費がかかるそうです。
ここいらへんは、薬の認可制度が、医療技術の進歩に追いついていないようで・・・早急な見直しが必要だと思います。

それから、複数の遺伝子に変異が発生している場合には、どの遺伝子が癌の原因なのか判別する事が困難だったそうですが・・・・最近は、AIとビッグデータにより、最適な薬を選び出すことができるようになったそうです。

というように、癌治療はかなり進歩しているようで・・・・できたら、姉にも、新しい治療を受けさせてあげたかったと思ってしまいました。