罪刑法定主義

ニュースによると、東名高速のあおり運転事故の被告に対して、懲役23年の求刑があったそうです。
この量刑は複数の罪を合わせたものですが・・・主な罪として、危険運転致死傷の最高20年が含まれているという話です。

果たして、今回の事例で危険運転致死傷が当てはまるか?については、諸説があり・・・どんな判決が出るか興味深いです。

個人的には、心象的には、この量刑でも足りないくらいだと思うのですが・・・理性的に判断すれば、弁護側の主張のとおり、危険運転致死傷には当てはまらないと考えます。
現場の状況を考えると、被告が運転していたと拡大解釈して認める事には無理があると思います。
確かに、追い越し車線に停車させた事は危険ですが・・・被告も追い越し車線に居た事もあり・・・トラックによる追突との因果関係も薄いような気がします。

いわゆる罪刑法定主義で、合法な事(違法でない事)を行っただけで、罪に問われる事はありません。
そこまで法律を拡大解釈できるのであれば、無制限にできてしまうので、法律に定める事は意味がなくなってしまいます。
今回の事例は、むしろ、危険運転致死傷の法律の不備であり・・・そこまで予見できていなかった立法府の落ち度とみるべきで・・・司法が拡大解釈するのではなく、法律を改正すべきなのです。

ちなみに、法の不遡及という原則もあり、法律を改正しても、被告を罪に問う事はできません。
法の不遡及とは、法律を作ってから、過去の言動に対して罪に問う事はできないことで・・・例えば、タバコを公の場で吸ったら違法とする法律ができたとしても、歩きタバコを過去にした事がある人を逮捕する事は出来ないのです。

ちなみに、韓国は、戦前の日本の行った事とか、過去に合法だった事を遡って罪に問う事が当たり前に行われていて・・・法治国家としては、未熟だと言われています。
これは、国民の感情によって、政治や裁判が支配されているためで・・・通常の法律の上位に、いわゆる国民情緒法があるなんて揶揄されています。

日本でも、最近、被害者の心情にウェイトを置いた報道が目立ち、それによって判決が左右されているような気がします。
今回の事例でも、被害者に国民の同情が集まっていますが・・・それに影響を受けるようでは、日本も韓国並みの法治国家に成り下がった事になってしまいます。