斎藤真一の絵

予報通り、今朝も雪が降ってしまいました。
先日ほどは降らなかったので・・・朝、最寄りの駅に行ったところ、平常通りに列車がきて、一安心・・・ところが、後続車が遅れているので時間調整・・・駅で止まるたびにどんどんと遅れて、到着するときには20分遅れ・・・滅茶混みで疲れました。

あまり降らなかったとはいえ、近所のグランドなんかは、真っ白に雪が積もっていました。
それを見て、斎藤真一さんが描く、雪の越後平野瞽女の一団が歩いて行く絵を思い出しました。

実は、最近、斎藤真一さんの作品が気になっていたので・・・その影響でしょう。
瞽女といえば、盲目の女旅芸人で、あちらこちらの村を、門付けで三味線を弾き歌って周るとか・・・その忘れ去られていた存在を、世間に知れ渡らせたのが斎藤真一さんです。

当然、冬以外の季節も旅して周るのだと思うのですが・・・斎藤真一さんが描くのは、雪景色や北風が吹きすさぶ海岸沿いなど・・・おそらく、瞽女の悲惨な心情を表そうとしていたのだと思います。

瞽女以外の人物を描いた場合でも、その心情を上手く表していて、特に女性を描くことが多いのですが・・・なんとなく、女性の情念のような物を感じさせてくれます。
また、少しデフォルメして描かれる事が多いのですが・・・これも、リアルさを追求するより、心情を追求したからでしょう。
なお、色使いでも、情念を感じさせる赤色の使い方が特徴的ですね。

そんな感じで、斎藤真一さんは、人物の心情を描く事が苦手な私としては、とても参考になる画家です。

ちなみに、斎藤真一さんは文章も素晴らしく、「瞽女=盲目の旅芸人」で、日本エッセイストクラブ賞を受賞し、「吉原炎上」は映画化されました。
ここいらへんは、やはり、斎藤真一さんの人物に対する考察力が素晴らしいからでしょう。

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瞽女=盲目の旅芸人」 斎藤真一著 日本放送出版協会

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「越後瞽女日記」 斎藤真一著 河出書房新社

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津軽じょんがら」 斎藤真一 大西書店

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「絵草紙吉原炎上」 斎藤真一著 文藝春秋