ジェフリー・アーチャー

3連休だったので、やっとジェフリー・アーチャーの「剣より強し」を読み終えました。
ご存知の方も多いと思いますが・・・ベストセラーのクリフトン年代記シリーズの第5部になります。

最近は、ノンフィクションとか自伝のようなリアルな本ばかりで、あまり小説を読まないのですが・・・若いころからジェフリー・アーチャーの本は良く読んでいたので、つい手に取ってしまいます。

ジェフリー・アーチャーの本で面白いのは、そのストーリー・テラーぶりなのですが・・・その話の展開の面白さは、彼の波乱万丈の人生・・・政治家としての成功、詐欺被害、スキャンダル、刑務所生活などによる影響が大きいと思います。
さらに、イギリスの政治の仕組みや、イギリス社会の生活もよく描かれていて、とても勉強になりますね。
ちなみに、今回の作品では、イギリスの裁判も良く描かれています。

このクリフトン年代記は、大長編なのですが・・長編の傑作が多いだけに限らずく、短編も素晴らしいものが多いのも、ジェフリー・アーチャーの特色だと思います。

私が特に好きなのは、初期の短編集「十二本の毒矢」に収録されている、「破られた習慣」という小品で・・・解説でも「そのおちに気づいた時、読者を捧腹絶倒させずにはおかない」と書いてあるような秀逸の作品です。

毎日、判で押したような生活を送るビジネスマン・・・その生活の歯車が少しズレた時に、おきる勘違い・・・
思わず、笑ってしまうのは、私たちが、普段、いかに習慣というものに頼って、無意識に行動している事が多く・・・多かれ少なかれ、似たような失敗の経験があるからではないでしょうか?

そんなわけで、普段、習慣化している事が、少しズレた時なんかには、この「破られた習慣」を思いだして、注意しなければいけないと、思う様にしています。

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「剣より強し 上」 ジェフリー・アーチャー著 戸田裕之訳 新潮文庫

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「剣より強し 下」 ジェフリー・アーチャー著 戸田裕之訳 新潮文庫

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「十二本の毒矢」 ジェフリー・アーチャー著 永井淳訳 新潮文庫