カラヴァッジョ展

先日、上野の東京都美術館で開催されている「ボッティチェリ展」を見に行った事を書きました。
JR上野駅から東京都美術館へ行く途中、「カラヴァッジョ展」が国立西洋美術館で開催されているのを知って、ちょっと気になっていました。

で、先日、暇があったので、「カラヴァッジョ展」も見に行くことにしました。
芸術の秋ではなくて、この時期に、「ダヴィンチ展」や「ボッティチェリ展」と共に、ルネッサンス期の有名な画家の展覧会が開催されるなんて、ちょっと珍しいと思います。
三つの展覧会の中で、一番期待していなかったのですが、個人的には、一番良かったです。

カラヴァッジョっていう名前は、世界堂で売っている張キャンバスの印象が強くて・・・画家本人の作品については、陰影の強い、ドラマチックな絵というぐらいの印象しかありませんでした。

でも、実際の作品を見たら、そのリアルな絵に驚かされました。
特に、人物の横に置いてある小物、ガラスの器や果物鉢などが凄いです。
並んだ作品を見ていく最中に、今回は出展されていませんが、カラヴァッジョの有名な静物画に、虫食いの果物や枯れかけた葉っぱ等が描かれた凄い絵があった事を思い出しました。

今回の作品でも、「果物籠を持つ少年」とか「バッカス」といった作品に描かれた果物が、今でいうスーパーリアリズム・・・まるで写真・・・・というよりも、写真以上に果物の持つ存在感が感じられます。
カラヴァッジョは、師匠はいなくて、モデルが師匠だった、なんて言われますが・・・まさに、対象物の真の姿を映しとっているみたいな気がしました。
私は、すべての物に魂が宿ると考えているので、カラヴァッジョも対象物の魂を感じていて、それを描きこんでいたのではないか?なんて思ってしまいます。

下書きはせずに、いきなり描く事が多く、驚くほど作品を仕上げるのが早かった、と言われますが、まさに天才だったのでしょう。
でも、人間的には最低で、暴力沙汰や殺人などを犯して、各地をあちらこちらと点々と移る暮らし・・・38歳で亡くなってしまいます。

なんとなく、音楽の天才であるモーツアルトの生涯を思い浮かべてしまいます。
天は、このような(ある意味純粋な)人を愛して才能を授けるのか?
それとも、才能が溢れてしまうから、このような性格になるのでしょうか?

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「カラヴァッジョ展」のチケット、作品リスト、チラシ

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「カラバッジョ展」の図録
表紙の「バッカス」という作品 なんとなく人物の顔が東洋の女性みたいな感じがします。