藤田嗣治展

昨日、世田谷美術館へ行ったばかりなのに、今日は東京国立近代美術館へ行ってきました。
というのも、昨日放映されたTV東京の「美の巨人たち」という番組で「藤田嗣治『寝室の裸婦キキ』美しき乳白色の秘密」という特集をやっていたからです。

実は、例によって、通勤途中に皇居の周りを歩いているのですが・・・東京国立近代美術館の前を通ったときに、藤田嗣治の展示会をやっている看板が出ているのを見ていて、ちょっと気になっていたのです。

で、昨日の番組をみたら会期が12月13日までになっている事を知って、来週になったら見に行けるかわからないので、今日、見に行くことにしたのです。

正式な展覧会の名称は「MOMATコレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示」というものでした。
そして、ラッキーなことに、今日は入場無料でした・・・あまりアピールしていないようで、思ったより、観客は少なかったので、ゆっくり見れました。

昨日の番組で取り上げていた、パリの画壇で評判となった乳白色の裸婦像は「タピストリーの裸婦」と「五人の裸婦」の2点のみで・・・戦時中に戦意高揚のために書かれた戦争画の展示が多かったように思います。
そういえば、「十二月八日の真珠湾」という作品の前に、アメリカ人とおぼしき外人が4~5人立ち止まって、なんか議論していたのが気になりました。

藤田嗣治は、戦後に、戦争に協力したという批判を受けたために、再びフランスへ渡って帰化してしまい、二度と日本へ帰らなかったそうです。
そのためか、戦後しばらくの作品は、動物を擬人化した作品が2点・・・心の傷のようなものが感じられて、見る方も心苦しくなってきました。

そして、最後に幼い女の子を描いた「少女」という1956年の作品が飾ってあり、やっと後悔から解放されたような気がして、こちらもホッとしました。
この頃、子供を描いた作品を多く描いていたようですが・・・何故、この一点だけなのか?演出のような気もしますけど・・・全所蔵作品というのですから、そんな訳ないですよね、ちょっと気になります。

そういえば、以前、斎藤真一の事を書きましたが・・・斎藤真一がフランスから帰国するとき、藤田嗣治に挨拶しにいったら、君は日本に帰れるのか、羨ましいね、僕は帰れないから、と言われたそうです。
ちょうど子供の絵を沢山描いていた頃のようですが・・・未だ罪悪感から解放されていなかったみたいですね。

余談ですが、東京国立近代美術館の向かい側を大勢の人が歩いていたので、なんだろうと思ったら、皇居の乾通り一般開放というのをやっていて・・・美術館の帰りに、そちらも見に行きました。
本当に、ラッキーな一日でした。
皇居の乾通り一般開放については、また、明日にでも書きます。

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「MOMATコレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示」 展示リスト