昨日は、広瀬正の「マイナス・ゼロ」を紹介しました。
何故か「マイナス・ゼロ」と一緒に思い浮かべてしまうのが、ジャック・フィニイの「ふりだしに戻る」です。
「ふりだしに戻る」も同じ要素があります。
そういえば、なんとなく題名の「マイナス・ゼロ」と「ふりだしに戻る」にも、共通するニュアンスが感じられますね。
もちろん、「マイナス・ゼロ」は過去の東京が舞台なのに対して、「ふりだしに戻る」は過去のニューヨークが舞台です。
共通するのは、それらの過去の街が驚くほど詳細に調べて描かれている点です。
さらに、「ふりだしに戻る」では、過去の写真や絵を使って雰囲気を盛り上げています。
おおきく異なるのは、「ふりだしに戻る」ではタイム・マシンが登場しない事で・・・
主人公は、過去から変わっていない環境に身を置き、過去にいると信じ込む自己催眠状態になることで、タイムスリップするのです。
偶然にも、この「ふりだしに戻る」は「マイナス・ゼロ」と同じ1970年に発刊されています。
そして、その直後に亡くなっています。
なんとなく、続編を書いた事によって、心残りが無くなったのでは?、なんて思ってしまいますね。