リバース・ボディ?

昨日は、広瀬正の「鏡の国のアリス」というSF小説を紹介しました。
鏡の国では、左右が逆転した世界です。

そこで思い浮かべたのが、ギブソンのファイヤーバードというギターです。
1962年当時、ライバルであるフェンダーのギターの人気が高カtったので、自動車デザイナーにギターのデザインを依頼したのですが・・・
出来上がったのが、フェンダーのギターを左右逆にしたようなデザインで、このためリバース・ボディと呼ばれています。
しかし、売れ行きは期待したほどではなく、1965年に再度モデルチェンジして、また左右が逆になりフェンダーに近いデザインになりました。
こちらは、ノン・リバース・ボディと呼ばれています。
(ノーマル・ボディと呼んだ方が判りやすいと思うのですが)
それでも、売れ行きは伸びず、1969年に生産終了となっています。

もう25年以上前になりますが、初めてファイヤーバードを買った時の事です。
渋谷の楽器屋に行ったら、古いリバース・ボディのファイヤーバードが2本売っていました。
1本はピックアップが一つのファイヤーバードⅠで、もう1本がピックアップが二つのファイヤーバードⅢでした。
(ちなみに、ファイヤーバードには、他に、2ピックアップで豪華な仕様のファイヤーバードⅤと3ピックアップのファイヤーバードⅦがありました)
どちらも\298,000で、当時としても相場より10万円ぐらい安かったのです。
おーっ、これならボーナス払いで買える!と興奮しました。

で、次の問題は、ⅠとⅢのどちらにするかです。
普通に考えれば2ピックアップのⅢなのですが・・・
Ⅰはエリック・クラプトンがクリーム時代に使っていて凄く印象に残っていました。
また、Ⅴはジョニー・ウィンターデイヴ・メイソンが使っていたし、Ⅶはブライアン・ジョーンズが使っていました。
でも、Ⅲは印象に残っていなかったのです。

すると、店員が「実際に演奏で使うなら、絶対にピックアップが二つあるⅢの方が良い」と言うのです。
で、素直にアドバイスに従って、Ⅲの方を購入しました。

家に帰ってきて、ケースを開けて弾いてみようとしたら・・・
あれれ、ボディは確かにリバースなのに、ヘッドはリバースしていない?
楽器店では、舞い上がっていたので、こんな大きなところに気付かなかったのです。

当時は、ネットも無かったし、ギター関連の本も少なかったので、輸入本を買ってきて調べてみたら・・・
リバース・ボディからノン・リバース・ボディに移行する時に作られた、希少なモデルと書いてありました。

あの時、強く勧めてくれた店員さんに感謝しています。

イメージ 1
左からリバース・ボディ、 リバース・ボディ&ノン・リバース・ヘッド、 ノン・リバース・ボディ (いづれも1965年製)