解離性障害

先ほどTVで犯罪心理学者の方が、犯罪者には事件の時の記憶が無い人がいると言っていました。
解離性健忘という精神疾患だそうで、例えば東北で起きた連続児童殺人事件で、自分の子供を殺した記憶が全くなくて、自ら犯人探しを行っていたケース等があるということです。
(たぶん、少し前に話題になった事件だと思ったのですが・・・)

解離性健忘は、解離性障害の一種だそうで、他の解離性障害には、自分が外部の傍観者であるかのように感じる離人症性障害や一般に多重人格と言われる解離性同一障害があるそうです。
どうも幼児期に強いストレスを受けて発症することが多いそうで、ストレスから自己を守ろうとするために引き起こされるようです。

昨日、紹介した「アルジャーノンに花束を」の作者ダニエル・キイスには、実在の解離性同一障害者を描いた「24人のビリー・ミリガン」という作品がります。
(治療等の後日談を描いた続編の「ビリー・ミリガンと23の棺」もあります)
なんでも、「アルジャーノに花束を」を読んだビリー・ミリガン自身が、ダニエル・キイスに自分の半生を着て欲しいと依頼したという話です。
なお、「24人のビリー・ミリガン」はレオナルド・ディカプリオ主演で映画化されるそうです。

冒頭に述べた事件のように、解離性障害の人が犯罪を起こす場合もあり、ビリー・ミリガンも強盗と連続強姦を起こしています。
この作品によって、多重人格という精神疾患が世間に広く知られるようになりましたが、それまでは、精神疾患ということが理解されない事が多かったようで、普通の犯罪者と同じ扱いを受けていたようです。
なお、ビリー・ミリガンは、多重人格だという事が判明した後も、世間の人の無理解に苦しんだそうです

昨日も書きましたが、私の母は認知症です。
その行動には、時に腹が立つ事もあります。
でも、病気がいけないんだ、母も苦しい思いをしているんだ、と思いなおしています。

解離性障害の人が起こした犯罪は許せない事だと思いますが・・・
病気がいけないんだ、本人も苦しい思いをしているんだ、という事を理解してあげなければいけないと思います。

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「24人のビリー・ミリガン 上」 ダニエル・キイス著 堀内静子訳 早川書房

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「24人のビリー・ミリガン 下」 ダニエル・キイス著 堀内静子訳 早川書房

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「ビリー・ミリガンと23の棺 上」 ダニエル・キイス著 堀内静子訳 早川書房

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「ビリー・ミリガンと23の棺 下」 ダニエル・キイス著 堀内静子訳 早川書房