前にも書きましたが、物に魂が宿っていると考えるようになったのは、良いギターには特殊な雰囲気があるからです。
そんな訳で、ギターのコレクションもかなりあります。
まあ、確かに煩悩なのですが・・・・、単に執着しているというよりは、これらのギターという物と対話している感じですかね。
これまでエレキギターを何本か紹介しましたので、今回はアコースティック・ギターを1本紹介します。
このモデル、今では再生産されていますが、オリジナルは1962年から1972年までに488本しか作られなかったので、結構珍しいモデルです。
お茶の水の楽器屋さんで、1969年製の過渡期の物、あるいはカスタムオーダーの物という事で、珍しいウォルナット・フィニッシュの物が売っていて・・・
どうも後から手を加えた感じだったのですが、値段も手ごろだったし、良いギター特有の雰囲気があったので購入しました。
で、家に帰って調べてみると、シリアルナンバーが1ケタ少ないのです。
そのシリアルナンバーだと初年度の1962年製ということになります。
そういえば、ラベルもunion madeという文字の無い1960年代前半の物ではないじゃありませんか・・・
で、よく調べてみると、ヘッドの角度も17度で、ブレイシングも背の高い60年代初期の仕様です。
ちなみに、記録に残っている初年度の製作本数はわずかに2本・・・
これはそのうちの1本なのか?思わず興奮しました。
(ジミー・ペイジが1962年製を1本持っているらしい)
あと、買うときにも気付いたのですが、ブレイシングにArturo Valdezとスタンプされています。
店員は、リペアしたお店の名前だろうと言っていました。
そこで、Arturo Valdezをネットで調べたら、1960年代から活躍しているリペアマンで、ハリウッドでValdezGuitarsという楽器店を開いているそうです。
そのお店のホームページを見たところ・・・・
なんと、カスタムワークスというコーナーにPhil Everyのエヴァリー・ブラザース・モデルのプロトタイプをウォルナットにリフィニッシュしたと書かれているではないですか!
えーっ・・・・エヴァリー・ブラザースの一人が使ったギターだったのか?
信じられませんでした。
そして、ホームページに書かれているアドレスにメールで問い合わせてみたところ、
「このギターは、確かにValdezGuitarsでリストアしたものです。しかしPhil Everyのギターだったかについては、個人のプライバシーにかかわるので答えられません。」という返事が返ってきました。
まあ、確証は得られなかったですけど、自分としてはそう信じています。
それでいいと思います。
Arturo Valdezのスタンプ