仏教の宗派

お釈迦様が説いた原始仏教は哲学的で興味深いのですけど、日本の仏教も好きです。
お坊さんが妻帯したり、飲酒や肉食しても良かったり、死んだら誰でも(悪人でも)仏になるなんて、なんて寛容な宗教だと思います。
また、葬式仏教などと言われますが、それも祖先を大事にする日本人ならではだと思います。
そして、お寺等の建物は、日本の自然に合っていて美しいと思います。
そう、生まれ育った風土に日本の仏教が合っているから好きなんだと思います。
 
昨日も書きましたが、我が家は日蓮宗なのですが、熱心な信徒というわけではありません。
それで、日蓮宗に限ったわけではなく、色々な宗派にも興味があります。
例えば、司馬遼太郎の「空海の風景」を読めば真言宗に興味がわくし、五木博之の「親鸞」を読めば浄土真宗に興味がわきます。
 
最近、興味があるのは天台宗の宗祖最澄です。
理由は簡単で、なんとなく謙虚な感じがするからです。
一般的に、仏教に限らず宗教家は、自分の宗派が一番で他の宗派を尊重しない傾向があります。
もちろん、それは自分が正しいという強い信念があるからでしょう。
でも、最澄は違っているような感じがするのです。
 
最澄の願文
「伏して願わくば、解脱の味、独り飲まず、安楽の果、独り証せず。法界の衆生と同じく明覚に登り、法界の衆生と同じく妙味を服せん。」
 
これを読むと、ジャクソン・ブラウンの曲「For Everyman」を思い出されます。
前にも書きましたが、この曲はCSNの「Wooden Ships」のアンサーソングです。
「Wooden Ships」では、核戦争後に生き残った人が気の合った仲間と木の船で新天地を目指すのに対して、「For Everyman」では、自分は他のみんなとともに、この地に残るという歌詞です。
修行して悟りを開いた者だけ涅槃に至るというように、多くの宗教では「信ずる者は救われる」と他の人々を見捨てる事が多いのですが、最澄はすべての衆生(他の宗派の人も)を見捨てないようです。
 
私の場合、お坊さんや学者のように詳しくなく、簡単な本を読んだだけのうわべだけ知識なので、間違っているかもしれませんが・・・
 
伝教大師の生涯と教え」天台宗教学振興委員会/多田 孝正 編 立正大学出版会
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