自由な絵画の描き方って?

昨日は、上野の東京国立博物館で開催されている「顔真卿」展を観て来た事を書きました。
ほとんど書に興味が無かったのですが、素晴らしい展覧会で、とても満足しました。

実は、日曜日には、六本木の国立新美術館で開催されている「全日本アートサロン絵画大賞展」を観に行ってきました。
もちろん、私の描いた絵が入選したので、どんな感じだか観に行ったのです。

今の時期、国立新美術館では大きな企画展が開催されていないため、閑散としていました。
「全日本アートサロン絵画大賞展」の会場も、ガラガラで・・・中国人で大混雑の「顔真卿」展とは、大違いです。

例年は、写実表現部門の出展なのですが、今年は、初めて自由表現部門への出展なので、いつもと展示場所が違って、ちょっと違和感がありました。
まあ、自分なりに、ちょっとしたチャレンジだったのですけど・・・並んでいる他の方の作品と比べると、今ひとつな感じが拭えませんですね。

で、もっと頑張らなければと思っていたところ・・・昨日、「顔真卿」展を観て、ちょっとしたヒントを貰ったような気になりました。
昨日も書きましたが、紙が貴重だった頃の書は、仏経典や政治文書等が多い事もあり、丁重に書かれていましたが・・・顔真卿の頃から、私的な事が書けるようになり、感情を表すような書き方に変わりました。

私の中では、紙が貴重だった頃の書は、絵画における写実表現にあたり、顔真卿以降の書は、絵画の自由表現にあたるように思えました。
だから、もっと自分の感情を表すような描き方をしなければイケないと反省しました。

それから、顔真卿の代表的な「祭姪文稿」は、写真で見るとそんなに素晴らしいと感じなかったのですが・・・実物を見ると、その筆跡から顔真卿の感情が胸に伝わってきて素晴らしかったです。
もちろん、本物の持つ凄さというものもあると思うのですが・・・写真と違って実物は、筆のタッチ、力強さや勢いなんかが判るというのも、大きな差のように思えます。
絵画の場合、写実表現では筆のタッチが明確なのは、マイナスになる事もあるのですが・・・自由表現では、もっと大胆な筆のタッチで描いた方が良さそうですね。