縄文展について

昨日は、NHKスペシャルの人類シリーズ第3集「ホモ・サピエンス ついに日本へ!」について書きました。
それほど日本列島が特異な場所という訳では無いので・・・パタゴニアとかイースター島のような、もっと困難な土地まで、何故人類は進出したのか?について描いた方が良かったと思います。

ところで、先日、東京国立博物館で開催されている「縄文」展を観に行ってきました。
エジプトやメソポタミアなどの古代文明の土器なんかも展示されていましたが・・・こうやって比べてみると、縄文人の美意識ってかなり特異なのが判ります。

上記で日本列島は特異な場所ではない、と書いたのですけど・・・縄文文化を育んだ環境と考えると、やはり、ちょっと特異な場所なのか?とも思ってしまいます。
もっとも、展覧会では黄河文明の物を展示してあったのですが・・・同じ中国の古代文明では、目が飛び出た像で有名な三星堆遺跡のように、特異な美意識を持つものもあります。
また、世界的にみれば、時代的には少し新しくなりますが・・・中南米古代文明も、変わった美意識を持っていたように思います。

こうやってみると・・・多くの古代文明が乾燥地帯で発生したのに、特異な美意識を持つ古代文明は、自然が豊かな地域で生まれたような印象を受けます。
ちなみに、多くの古代文明が、開拓など自然を支配しようとしたのに対して・・・縄文文化って、自然と共存した文明という事で有名ですね。

ところで、岡本太郎縄文人の美意識を再発見したのは有名な話で・・・太陽の塔などの彼の作品にも、縄文文化の影響が見て取れます。
今回、展覧会を観て思ったのは、縄文文化に描かれる人物や動物って、ゆるキャラに似ているというもの・・・そういえば、会場で若い女性が土偶を観て「カワイイ!」なんて話していました。

あと、マンガ的なものやウルトラマンなんかに似た感じのものもあり・・・こうしてみると、縄文人の美意識は、現在の日本人も受け継いでいるのかもしれませんね。
北斎の大波なんかも、火焔型土器に通じるような気もしますし・・・そう考えると、自分のDNAを再確認するのに、面白い展覧会だと思います。

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「縄文」展 チラシ、チケット、作品リスト

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「縄文」展 図録