神様の分布

昨日は、東京国立博物館で開催されている「縄文」展について書きました。
縄文人の美意識は、その後の日本人の文化にも伝わっているような気がします。

展覧会には、他の古代文明の遺物も展示されているので・・・縄文人の美意識が特異だった事が良く判りました。
もっとも、多くの古代文明は乾燥地帯で発生したのに対して、中国の三星堆遺跡のように、自然が豊かな地域で発生した文明は、ちょっと変わった美意識を持っているような気がします。
やはり、その文明が生まれた環境が、美意識に影響を及ぼしているのではないでしょうか?

そして、多くの古代文明が、開拓など自然を支配しようとしたのに対して、縄文文化は自然と共存して、循環型の社会を創り上げていたのが、異なっているように感じます。
しかし、弥生時代になって、稲作が広まると、この特異な美意識が薄れてしまいました。
おそらく、八百万の神というように、豊かな自然の中に神を見出していたのが、その特異な美意識を育んだ要因なのではないでしょうか?

ぞういえば、日本全国の神様の分布を表した地図(神さまマップ)という記事がありました。
取り上げられている神様は、天照大尊や大国主など9神で、八百万という訳にはいきませんけど・・・一口に日本列島といっても、かなり神様によって分布に偏りがあることが判ります。
これは、歴史的に出雲の文化や大和朝廷の文化の影響や、武家が多い土地の八幡神とか稲作によるお稲荷さんなど、土地によって信仰される神様が異なるのだと思います。

ちなみに、日本全国の仏教の分布を表した地図(寺院宗派マップ)もあり・・・こちらは、宗祖などの布教がどこで行われたか?の影響が大きい感じがします。

こうしてみると、宗教というのも、環境と歴史の影響が大きいのが判り・・・人々がすがるため、神の存在を求めた結果だというのが判ります。