2人のダンサー

昨日、過去にスキーに夢中になった経験から、雪道を歩くのは、それほど苦にならないという事を書きました。
それでも、今朝は日陰で溶けた雪がツルツルに凍っていて、ちょっと不安になりました。

横断歩道で信号が青になったので渡ろうと思ったら、タクシーが目の前を通っていって、ドキッとしたのですけど・・・おそらく、タクシーの運転手も急ブレーキを踏む方が滑って危険だと判断したのでしょう。
あと、路地裏を歩いていたら・・・目の前をタクシーがノロノロ運転・・・別に滑るから減速している訳ではなくて・・・その前を小学生が3~4人歩いていました。
で、いきなりそのうちの一人が転倒して、タクシーもすぐに急停止、スピードが出てなかったら滑る事はなかったのですが・・・見ていて、ちょっとヒヤッとしました。
今日も、転倒して怪我をした人や、スリップ事故が多かったのではないでしょうか?

ところで、交通事故といえば、日曜日のNHKスペシャルの「光と影 2人のダンサー ~紅白舞台裏のドラマ~」は、交通事故で左足を失ったダンサーが主人公でした。
ダンスとかって、そんなに興味が無くかったので、何気なく視ていたのですけど・・・・いつのまにか引き込まれて、最期は感動で涙ぐんでいました。
実は、ブログに書こうと思っていたのですが・・・大雪で、書きそびれていたのです。

紅白歌合戦平井堅さんのバックで踊った、義足のダンサー大前光市さんの話なのですけど・・・15年前、一流の舞踏団のオーデションの最終選考の直前に、交通事故にあってしまったのです。
しかし、左足を失ってもダンスを続け、ついには一流のダンサーとなり、今回、紅白歌合戦のバックダンサーとして出場依頼を受けたのです。

そして、振り付けを担当したのが、その15年前のオーデションで合格し、世界的なダンサーとなった辻本知彦さんだったのです。
まさに、因縁の組み合わせ・・・リハーサルで大前さんの踊りに対して辻本さんは、形に拘ってダンスを踊ろうとしている、もっと、自然な動きをするように、と指摘・・・
大前さんは、足が無くても負けないと、健常者と同じダンスを目指していた事に気づき、義足の左足を使った自分らしいダンスをすることにしたのです。

なんか、こう書くと、簡単なのですが・・・きっと、大前さんも頭では判っても、今までのダンスを棄てて実際に表現するのには、苦労したのではなかったでしょうか?

また、辻本さんも、そのオーデションに交通事故でこれなかった人がいる事は知っていて・・・後で、それが大前さんだと判ったそうですが・・・そんな因縁への気遣いや同情などをすることなく、厳しく指導していた点に、プロフェッショナルを感じました。
恐らく、大前さんも、そんな風に辻本さんが一流のダンサーとして扱ってくれた事が嬉しかったのではなかったのではないでしょうか?
結局、本番の紅白歌合戦のダンスは、素晴らしい出来映えで大絶賛を浴び・・・大前さんも一皮むけたダンスを身に着け、さらなる高みを目指すようになったのです。

逆境に負けない心、意地とプライドも大事ですが・・・最終的には、世の中、勝ち負けではない、という悟りのような境地に達したのが凄かったです。