赤い海

昨夜、帰宅してTVを点けたら「世界!なんじゃこりゃ 海底から宇宙まで!奇跡の絶景探検SP!」という番組をやっていました。
何気なく見ていたら、タスマニアの「赤い海」に住む海底生物を取り上げていました。

タスマニアの赤い海とは、タスマニア島南西部にあるバザースト湾の事で、上流にある湿原にボタングラスが群生しています。
ボタングラスの茎や葉にはタンニンが多く含まれており、枯れた植物からタンニンが土壌に染み出し川に流れ込み、バザースト湾が赤く染まるのだそうです。
さらに、外海との境界が狭いため、赤く染まった水が湾内に溜まるそうです。

この赤い水は軽いため、海水の上に層を作るので、太陽光が遮られ、5メートルも潜ると静かな暗黒の世界となり、珍しい深海生物が生息しているそうです。

実は、かなり昔に、「素敵な宇宙船地球号」という番組で取り上げていたので、この赤い海の事は知っていました。
そのため、特に驚きも感じなく見ていたのですが・・・この穏やかな赤い海の光景を見ていたら、ふと頭に浮かんだのが「レッド・オーシャン」という言葉です。

ご存知のように、経済学でいうと、既存のありふれた競争にあけくれる市場を、血みどろの戦いを繰り広げる事から「レッド・オーシャン」というのです。
これに対して、競争者のほとんどいない穏やかで特別な市場を「ブルー・オーシャン」と言って、そのような市場を開拓する事を「ブルー・オーシャン戦略」という言います。

ところが、現実の世界では、弱肉強食の世界が繰り広げられる普通の「青い海」に対して、競争相手が少ない特別な環境が「赤い海」なのですね。
ちょっと皮肉な感じがしますが、そもそも青い海の方が当たり前なのだから、「ブルー・オーシャン戦略」って、当たり前の事をやるって事で、良いのかもしれませんね。