東京ブラックホール

昨日のNHKスペシャルは「戦後ゼロ年 1945~1946 東京ブラックホール」というタイトルでした。
これまであまり番組で取り上げられなかった戦後1年について、発掘された数々の映像やCIAの資料を元に、山田孝之さんを主演にしたドラマ仕立てというつくりでした。

ドラマは、当時の映像と合成した演出が多く使われて、なかなか斬新で分かり易いものでした。
もっとも、本当の主演は、背景に映る当時の庶民の生活だったのかもしれません。
また、新たに発掘された映像でしょうか?今まで見た事もない、鮮明な映像も多くて驚きました。

そこに映し出されたのは、まさにすべてを飲み込むブラックホール状態、終戦で、それまで耐えていた事から解放された無秩序で混乱した世界でした。
食料不足の混乱を避けるために、第二の玉音放送があったことや、それが、全然、効果が無かったなんて事も、初めて知りました。

東日本大震災の後の日本人の秩序だった行動は、世界中から賞賛を浴びましたが・・・あれは戦後の教育がもたらしたものなのでしょうか?
東日本大震災のように一致団結して復興にあたるという事ではなく、あんなに秩序の無い状態から、よくぞ急速に戦後復興したなぁ・・・と、思ってしまいました。
むしろ、今の中国人に感じるような、バイタリティが当時の日本人にあった事が、急速な回復の原因だったような気がします。

今、特別養護老人ホームに入っている母にも、番組を見せてやりたかったなぁ・・・なんて思って、思ってしまいました。
当時を生きた母は、どんな感想を述べるのか、興味があります。

そういえば、私が運転免許を取った時に・・・免許を持っていなかった亡き父が、終戦後にトラックを運転していた、と母が話していたのを思い出しました。
父は戦時中、爆撃機パイロットだったので、車の運転もできたようですが・・・・無免許で運転するなんていうのも、当時は当たり前だったように思います。