草の実

昨日のNHK日曜美術館は「みなが見てこそ芸術 川端龍子」というタイトルでした。
川端龍子は好きな画家なので、興味深く拝見しました。

今回の番組は、山種美術館で開催されている没後50年記念の川端龍子展を取り上げたものでしたが・・・残念ながら、その展覧会は未だ見ていません。
会期は8月20日までなので、暇があれば見に行きたいと思っています。

もっとも、番組の中で登場する大田区龍子記念館は見に行ったことがあります。
そのときは、向かいにある龍子公園の旧宅やアトリエも見たかったのですが・・・生憎、見学時間に間に合わなかったので、そちらは見ていません。
こちらも、暇を見つけて、見に行きたいものです。

川端龍子を好きになったのは、かなり以前に日本画の展覧会で「草の実」という作品に強い印象を受けたからです。
その展覧会は、古今東西日本画の傑作を集めたものだったのですが・・・個人的には、「草の実」が一番良かったです。

どこが良かったのかというと、勢いのある筆でさっと描いてあり、色も金と銀だけしか使っていないのに、草木の細かなディテールまで見事に表現されていたところで・・・その画家の力量に圧倒されたのです。

番組によると、濃紺の下地に金色で描くと言うのは、仏教のお経や仏様を描くときに用いられる手法をヒントにしているそうです。
本来は尊い物を描くときに使われる金泥で野草を描いたのは、野草に宿る魂を描こうとしたのではないか?という事で、まさに山川草木悉有仏性という感じですね。

私はすべての物に魂が宿ると考えていて、絵を描くときには、それを表したいと考えているので・・・無意識のうちに川端龍子の意図を感じて、「草の実」が好きになったのかもしれませんね。

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大田区龍子記念館

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龍子公園