象徴天皇

昨日のNHKスペシャルは「私たちと”象徴天皇”~政府の有識者会議”最終報告”を受けて~」というタイトルでした。
その番組内容は、象徴天皇の在り方について、座談会形式の討論の生中継・・・もっとも、大まかなシナリオに則って発言しているみたいに感じました。

現在、天皇陛下が行っている象徴としての務めは、年間1,700にもなるそうです。
これらは3つに分類できるそうで・・・「国事行為」、「宮中祭祀」、「公的行為」だそうです。

ちなみに、国事行為とは、総理大臣の任命など憲法に規定されているもの・・・宮中祭祀とは、国民のために祈る事・・・公的行為とは、被災地を見舞うことなど、陛下の裁量によって行われる事、だそうです。

そもそも、公的行為は戦後の昭和天皇が国内を巡幸したのに始まり、平成になってから大規模災害が続いている事もあり、増加しているそうです。

意見が分かれるのは、公的行為こそが戦後の象徴天皇の行為だとする考えに対して、戦前のように、存在自体が象徴なので宮中祭祀を行っていれば良いという考えです。

個人的な考えを述べると、前者に近いですが・・・・番組の出演者全員に言えるのが、歴史上どうなのか?といった過去の前例に拘りすぎに感じました。
おそらく、戦後、象徴天皇という位置づけを考えた人たちの方が、よっぽど過去に捕らわれない考え方をしていたのではないでしょうか?

昨年8月の陛下のビデオレターについて、第二の人間宣言だと言った人がいましたが・・・そもそも、戦後日本は政教分離で国教は無いし、信教の自由なので・・・天皇陛下といえども、日本神道を信じなくても良いと思っています。
まあ、歴史文化の保存という意味では、宮中祭祀は残した方が良いとは思いますけど・・・

番組の中で、後奈良天皇が写経して、全国の一宮に収めた話が出ていましたが・・・天皇が仏教を信じても別に問題は無いし・・・そもそも、聖徳太子のように天皇家が仏教を広めたのですから。
同様に、天皇イスラム教を信じても、本人がそれを望むのなら、別に良いんじゃないか?と思っています。

ついでに、職業選択の自由という意味では、天皇だけが仕事を選べないというのも変だと思っています。
日本国民の象徴なら、信教も職業も自由にして貰う方が、望ましいようにも思えます。