ティツィアーノとシャセリオー

上野の東京都美術館で開催されている「ティツィアーノヴェネツィア派展」の開催期間が終了間近だというので、観に行って来ました。
1月から開催されていて、気になっていたのですが、母の病気等で暇が無かったので、後回しにしていました。

正直に言うと・・・この展覧会、NHK日曜美術館でも取り上げられていて、期待していたのですが・・・まあ、こんなもんか、と言った感じでした。
ルネッサンス期に、フィレンツェと肩を並べるほどヴェネツィアの美術界は花開いていた、と言いますが・・・ちょっと大袈裟だと思いました。

そんな中、さすがにティツィアーノは他の画家比べると、群を抜いていると感じました。
本邦初公開の「ダナエ」、傑作「フローラ」も美しかったですが・・・個人的には、「教皇パウルス3世の肖像」の威厳や知性といった人間性を見事に描いているところが良かったです。

今ひとつ物足りない感じで、東京都美術館を出たので、ついでに、近くにある国立西洋美術館で開催されている「シャセリオー展」を見に行きました。

実は、シャセリオーさんの事は知りませんでした。
ただ、ポスターに使ってある女性の絵(カバリュス嬢の肖像)というが、ティッツァーノの「フローラ」と比べて、そんなに遜色が無いように思えたのです。

展覧会のサブタイトルに「19世紀フランス・ロマン主義の異才」とありますが・・・つい、16世紀のティツィアーノと比べてしまうぐらい・・・シャセリオーさん、絵は上手いのですが、個性が乏しく表現が古典的な感じがします。
シャセリオーの影響を受けた、モローやルドンなんかの絵も展示してありましたが・・・明らかに、影響を受けた人の絵の方が個性的で新しさを感じます。

後年、アルジェリアへ旅して、オリエンタルな雰囲気を描いたあたりから個性が現れてくるのですが・・・37歳で夭折してしまっています。
もう少し長生きして、19世紀絵画界の影響を受けて、もっと個性的な絵を描くようになっていれば・・・と、思ってしまいました。

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ティツィアーノヴェネツィア派展」 作品目録 チラシ チケット

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「シャセリオー展」 作品目録 チラシ チケット