老人ホームが空いている

昨日、NHKクローズアップ現代+は「”老人ホーム”が空いている」というタイトルだったので、思わず視てしまいました。
現在、老人保健施設に入っている母も、3か月後には老人ホームに入らなければならない可能性があるからです。

なんでも、入居待ちが52万人もいるという特別養護老人ホームですが・・・厚生労働省が委託して調査したところ、あちらこちらにベッドの空きがあるそうです。

もっとも、全体としての、ベッド稼働率は96%というので、そんなに空いているという訳ではなさそうです。
一応、空くのを待っている身としては、なんだその程度かよって感じで、番組のタイトルが大げさに思えました。
この数字の中には、入居者が決まっていて待ち状態のものや、入居者が入院したり、死亡したりして、一時的に空いているものも含まれているというので、猶更な感じです。

したがって、問題としているのは、それ以外の理由で、長い間、空いているベッドがあるという事になります。
主な理由は二つあり、職員採用が困難というのが30%、申込者数が少ないというのが38%だそうです。

職員採用が困難というのは、大体想像していましたけど・・・そもそも、介護に携わる労働者が少ない上に、政府の方針で特別養護老人ホームの建設が増えているため、職員の取り合いになっているとか・・・

意外だったのが、申込者数が少ないという理由で・・・なんでも、土地が安いところに建設するケースが多いのですが・・・そこは過疎化が進んでいる土地なので入居する高齢者が少ない、という需要と供給のズレがあるそうです。
そういえば、特別養護老人ホームではありませんでしたけど・・・病院で紹介された療養病院も遠くの山の中だったのを思い出しました。

さらに、ベッドが空いたので、実際にお声がけをすると、入居を断るケースがかなりあるそうです。
そういえば、私の母も、リハビリの結果が良ければ在宅介護にしたいと思っているのですが・・・在宅介護が無理だった時のために、特別養護老人ホームへ申し込んでいます。
さらに、直ぐには入れないので、何か所にも申請書を出しておいた方が良いと言われているので、他にも出そうと考えています。
ひょっとしたら、52万人という入居待ちの数は、複数の施設に申請を出している人をダブってカウントしているのかも・・・

番組では、特別養護老人ホーム以外にも、国交省が進めているサービス付き高齢者住宅を取り上げていて・・・こちらも、入居者が少なくて、廃業・登録取消の申請数が263件もあるそうです。

ニーズ調査を充分行わず、とりあえず計画通り建物だけ作ってしまえば良い、というお役所仕事が、本来の目的から乖離した結果をもたらしているような感じですね。