グレッチのステレオ機能

先日、バーンズのジャズ・スプリット・サウンドというギターを紹介しました。
このギター、1~3弦をリア・ピックアップ、4~6弦をフロント・ピックアップから出力できるという機能を持っているのが特徴です。

そういえば、似たような機能は、グレッチのホワイト・ファルコン等に搭載されてステレオ機能にも見られます。

ギブソンのES-345TDSV等に搭載されたステレオ機能は、フロント・ピックアップの音とリア・ピックアップの音を別々のアンプで鳴らせるというものでした。
同様なステレオ機能のものとしては、リッケンバッカーの多くの機種に搭載されたリック・オー・サウンドにも見られますね。

しかし、グレッチのステレオ機能は、1~3弦と4~6弦の音を別々のピックアップで拾って、異なるアンプで鳴らせるというものでした。

ピックアップ・セレクターと組み合わせて、多彩な音作りができるので、機能としては、ギブソンなんかに比べると、進んだものなのですが・・・はっきり言って、使いづらいです。

普段、高音弦と低音弦を意識しないで弾いていると・・・一連のフレーズの流れの途中で、違うアンプから音が出る事になるので、すごく違和感があります。
おそらく、カントリーなどの低音弦でベース音を鳴らしながら弾くフィンガー・ピッキングを想定しているのだと思うのですが・・・最近、そういう弾き方をする人は、あまりいないのではないでしょうか?

結局、ギブソン等のステレオ機能の方が、ピックアップ・セレクターで違ったセッティングのアンプから音を出せるので、使い勝手としては優れています。
それでも、アンプが2台必要とかステレオ・ケーブルが必要など、面倒な割に、効果が今一つ・・・フット・スイッチによるアンプのチャンネル切り替えでも充分な感じです。

そんな訳で、チャンネル切り替え機能の無いアンプしかない時代には、ある程度、意味があったのかもしれませんが・・・今となっては、ステレオ機能自体が無用の長物って感じになっています。
当時は、レコードがモノからステレオに切り替わる時代で、ステレオという言葉自体に有難味があったのかもしれませんね。
もちろん、バーンズのジャズ・スプリット・サウンドはモノ出力なので、このような使い勝手の悪さはありません。

イメージ 1
グレッチ ホワイト・ファルコン・ステレオ 1965年製
1~3弦と4~6弦を違うアンプで鳴らせます

イメージ 2
ギブソン ES-345TDSV 1967年製
フロントPUとリアPUを違うアンプで鳴らせます