この二つの作品は、同じ場所の冬景色を描いているのですが・・・「冬の花」は、病床の川端を励ますように、春の訪れが近い事を感じさせる明るい緑で北山杉が描かれています。
川端康成は、この作品を気に入って、病室に飾って、毎日眺めていたそうです。
一方の「北山初雪」は、タイトルの通りモノトーン気味の雪景色で、北欧旅行で見た景色を反映しているようです。
ちなみに、このような北山での雪景色は、年に1度か2度あるかないか、だそうです。
番組によると、この二つの作品の北山杉には、今では数少なくなった原種が描かれているそうで・・・「京都は今描いていただかないとなくなります。京都のあるうちに描いておいてください」という、川端の言葉に応えたものだそうです。
この本には、構図が異なりますけど、さらに2作品、「北山初雪」と同じ年に描かれた北山杉の絵が載っています。
これらも、合わせて観ると、なかなか興味深いと思います。
ちなみに、番組で紹介していた、「落柿舎」の絵も載っています。
「冬の花」のページ
「北山初雪」のページ
本の裏表紙にも「北山初雪」は使われています。
「青い峡」のページ
「北山初雪」のモノトーンと違い、青系のモノトーンで描かれています
「雪の後」のページ
「北山初雪」とは対照的に樹に雪は被ってなく、地面が白くなっています
「落柿舎」のページ
番組によると、今でも同じ光景が残っているそうです