ノンリバース・ファイヤーバード

昨日は、リバース型のファイヤーバードを紹介しました。
見た目はカッコ良いのですけど、慣れないと弾きづらいギターだと思います。

また、スルーネック構造はサスティーンが向上すると言われていますが・・・コストがかかる割には、効果はそれほどありません。

そんな事もあり、1963年に登場したリバース型は、早くも1965年半ばにモデル・チェンジしてしまいます。、
こうして登場したノンリバース型は、通常のセットネック、通常のペグ、スライド・スイッチ、ピックアップのマウント・方式の変更・・・そして、各グレード共通のボディの採用といったコスト削減が図られています。
大型ピックガードで共通ボディの採用というのは、同時期のSGなんかでも行われていますが・・・ファイヤーバードの場合には、指板も共通となっていて、最高級のⅦでも、バインディング無しのローズウッド材でドット・ポジションマークとなっています。

昨日も書きましたが、バータイプのポールピース自体がマグネットという構造のピックアップは、マグネットが2つ必要で高価なため、下位グレードには安いP-90ピックアップが採用されました。
このため、下位グレードはSGスペシャルに似たサウンドととなり、ファイヤーバードらしさが失われたように思います。

スライド・スイッチは使いづらいので、後に通常のトグル・スイッチに戻されますが・・・同じころ、上位グレードのピックアップはモデル・チェンジして・・・・横倒ししたボビン2個で、立てたバー・マグネットを挟むというEBのような構造のピックアップになります。
このピックアップは、サウンド的に、さらに高音がきつくなり、扱いづらくなってしまいます。
そのため、このピックアップを搭載した、ノンリバースの後期型とメダリオンには、ピックアップが交換された物が多いです。

また、ノンリバース型は、一見、弾きやすくなったように思えるのですけど・・・リバース型よりネックが遠く、ロー・ポジションを弾くのが辛いです。
さらに、リバース型ほどではありませんけど、バランスも悪いので、ストラップ・ボタンをネックの付け根に移し替えれば、なんとか弾けるようになります。

・・・という事で、モデル・チェンジしたノンリバース型も、売り上げは伸びず、1969年に製造中止となってしまいました。


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ギブソン ファイヤーバードⅤ 1965年製
この当時、ブラウン・サンバーストからセミアコでいうアイスティー・サンバーストっぽい赤系の物に替わります。

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ギブソン ファイヤーバードⅦ 1965年製
Ⅶの生産本数は僅か388本しかなく、リバース型が約250本、ノンリバース型が150本弱と言われています。


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ファイヤーバードⅢ 1965年製
過渡期の、リバース・ボディだがノンリバースのヘッドを持つ物・・・これも、赤系のサンバーストです