カマカ・ケイキ

昨日は、カマカ・ジャパン製のカマカのウクレレを紹介しました。
カマカの記録によると、カマカ・ジャパンは、Tokyo Stringed Manufacturing Co., Ltdという会社と共同で設立された会社でした。

昨日も書いたように、カマカ・ジャパン製のウクレレは本家のハワイ製カマカと比べても遜色の無いような素晴らしいものでしたが・・・日本で製造されていたのに、いつしかその製造元の情報は忘れ去られてしまっていました。

そのクオリティの高さから、当時の代表的なウクレレ・メーカーのルナで作られていたのではないか?とか・・・カマカにそっくりのウクレレを作っていたモンタノで作られていたのではないか?等と言われていました。

そこで色々を調べてみたところ、カマカ・ジャパン社長の義理の息子さんと連絡がとれて、Tokyo Stringed Manufacturing Co., Ltdが東京弦楽器製作所だという事が判りました。
なんでも、東京弦楽器製作所は東京都世田谷区奥沢に本社があり、工場は茨城県水海道市にあったそうで、社長は遠藤弘(故人)という方だったそうです。

当時、カマカは子供用のウクレレを計画していて、それをOEM制作してもらうところを探していたそうで・・・遠藤社長夫人が戦前のハワイ育ちだったことから、ハワイ在住の知人から遠藤氏に依頼があったということです。

こうして誕生したカマカの子供向けウクレレハワイ語で子供を意味するケイキと名付けられました。
そして、カマカ・ケイキはヘッドにk keikiというロゴが付けられました。
カマカ・ジャパン製のラインナップでは廉価版になりますが、子供向けと言っても、特にボディ・サイズが小型という訳ではありません。

また、廉価版といっても、サウンド的には、フィリピン・マホガニー製のカマカと比べると違いは無いように思います。

コア材のものもあるという話もありますが・・・フィリピン・マホガニー製しか見た事がありませんし、資料などでもコア製の写真を見た事がありません。
おそらく、金茶色のフィリピン・マホガニー製をコア材と勘違いしたような気がします。
ちなみに、元々のフィリピン・マホガニーの色が金茶色っぽいので、逆にマホガニーっぽく仕上げるのに赤茶色に着色しています。
もっとも、ケイキは全てカマカ・ジャパン製ですが、試作としてハワイのカマカでコア製を作った可能性も考えられます。

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カマカ・ケイキ 金茶色のフィニッシュ

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カマカ・ケイキ マホガニー色のフィニッシュ

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カマカ・ケイキのデラックス・タイプ
ボディとサウンドホールに1重のバインディングがあります。

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当時のカマカ・ジャパンのパンフレット
カマカのK100とケイキ3機種が載っています。

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一番左がサム・カマカJr、二人目が遠藤社長