介護殺人の要因

昨日のNHKスペシャルは「私は家族を殺した~”介護殺人”当事者たちの告白~」というタイトルでした。
先日、ニュースで流していた、介護殺人に関する調査をまとめたものの様でした。

ニュースで介護殺人を犯す人の26%が介護を初めて1年未満の人だと言うのを聞いたとき、介護の辛さに慣れていなく、悲観的な性格の人が多いのではないか?と、思ったのですが・・・ちょっと違っていました。

介護をしている人が557万人に達する中で、介護殺人を考えた事がある人は、4人に一人いるそうです。
私の場合、母の介護を5年以上していていますが・・・介護殺人を考えた事はありません。
そのせいか、番組のアンケートの答えにあったような、自由な時間が無くなる、頭がおかしくなりそう、世間に取り残されそう、将来に絶望した・・・というように、介護する側の自己的な理由によるものと思っていました。

特に認知症の場合、相手が病気だという認識を持たないと、怒りを覚える事が多いので・・・介護をするようになったばかりの人は、その意識が弱いのではないか?なんて思っていました。

ところが、番組を視ていたら、嘱託殺人のようなパターンが多い事に気づきました。
介護を受ける側から、死にたいという要望を何度も言われて、断り切れずにそれに従ったケースもあります。
あるいは、自分の愛する人が、まるっきり違った人に変わってしまう事に耐えられなかったケースもありました。

つまり、介護される人を憎んで、というよりは、介護される人を愛するがゆえに、という心情が多いような気がしました。

私の場合、そこまで母を愛していなかったから、介護殺人をするということが頭をよぎった事がなかったような気もします。
たとえ、母から、死にたいと何度も言われたとしても、可哀想に思って手にかける、なんていう事はなさそうです。
まあ・・・それは、よい事なんですが・・・ちょっと、複雑な気がします。