UNHCR

昨日、NHKスペシャルで「難民大移動 危機と闘う日本人」という番組をやっていました。
色々な人道支援NPO等のサポーターとかにもなっているので、興味深く視ました。

番組の内容は、今世紀最大の人道危機と言われているシリア難民の対応で活躍するUNHCR国連難民高等弁務官事務所)の90人を超える日本人職員の話でした。

ちなみに、日本でのUNHCRへの寄付の窓口になっているのが、国連UNHCR協会(JAPAN FOR UNHCR)というNPOで、私は助っ人会員というものになっています。
番組でも、少し触れていましたが、以前、国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんの活躍に感銘を受けて、会員になったのです。

緒方貞子さんといえば、1990年代に起きたイラククルド人迫害やボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の時に、それまでは国外に逃れた人だけを難民として支援していたのを、国内にいても居住地から避難した人を「国内難民」という新しい概念を作り、支援するようにした功績は有名です。

もっとも、現在のシリア難民は、国外へ逃れた難民が460万人を超えていて、その対応だけでUNHCRは手一杯のようです。
当然、シリア国内では、さらに多くの国内難民も発生していることが想像できますが・・・その人たちの状況は、一体どうなっているのでしょうか。

番組でも、ヨルダンの難民キャンプにいて、難民生活が長期化して、持参した家財は売り払ってしまい、支給される生活支援金では、暮らしていけないので、危険を覚悟でシリアへ帰るという人や、子供のためにカナダへ第三国定住を望んでいる人で、両親がシリアで死にたいと言っているので離れ離れになっている、といった事が紹介されていました。

ちなみに、ヨルダンでは一国で64万人もの難民を受け入れているのですが、国内の雇用確保のために難民が働く事を認めていないそうです。
そして、難民の数が増え続けているため、受け入れ国側も限度に達していて、国境を封鎖したマケドニアのように入国を制限する国が増えているそうです。

だから、番組でUNHCRの日本人職員も話していましたが、シリア国内が安定して、難民も帰国して安心して暮らせるようになるしか、解決策はないような気がします。
このとき、難民キャンプでは3年以上も学校に通っていない子供が増えていて、このままの状況が続けば、将来シリア国内が安定しても、再建する人材が育っていない事になるのが気がかりです。

難しいとは思いますが、ISの脅威がなくなり、現在の停戦がこのまま続くことを祈っています。