1070年J-200

一昨日の1960年代後半のJ-200に続いて、昨日は、1950年代のSJ-200とJ-200を紹介しました。
多くのギブソンアコースティック・ギターと同様に、J-200も1970年に大幅なモデル・チェンジが行われます。

まず、目につくのがブリッジがダヴ等と共通の物が使われていることで・・・施されるインレイにより差別化が図られます。
また、アジャスタブル・ブリッジは廃止され、固定サドルになります。
ボディ内の構造としては、ネックブロックは普通の形になり、ダブルXブレイシングが採用されます。
(ちなみに、戦前のSJ-200もダブルXブレイシングだったそうです)
もちろん、トップ・ミュートは廃止されます。

細かい変更点としては、ヘッド周りがマルチ・バインディングになり、サウンドホール周りのパーフリングが2つから3つに増えて、豪華になっています。

また、他のギブソンと共通の変更点としては、ネック裏にボリュートが設けられ、ヘッド裏にはシリアル・ナンバーの他にMADE IN U.S.Aの文字が刻印されます。
ヘッド表ではオープンOロゴからクローズド・ロゴになり、他のモデルと共通のモデル名が入ったトラスロッド・カバーが採用されています。
そして、ボディ内のラベルは、オレンジ・ラベルから四角いラベルになり、そこに印刷されているモデル名は「J-200 ARTIST」となります。

サウンド的には、固定ブリッジに戻ったことにより、バランスのとれた素直な音になったのですが、ダブルXブレイシングのため音量は出ません。

ところが、1970年には若干ですが過渡期の仕様の物が作られています。
ここに紹介するのは、クローズド・ロゴで、MADE IN U.S.Aの刻印有り、トラスロッド・カバーはモデル名が入ったものですが、ネック・ボリュートは未だありません。
そして、ヘッド周りのバインディングパーフリングは60年代のままで、ブリッジも60年代末期の物です。
特徴的なのは内部構造で、シングルXブレイシングで通常のネックブロックになっており、トップミュートはありません。
ここいらへんは、1960年代とも1970年代とも異なり、1950年代に戻った感じです。
なお、ラベルはまだオレンジ・ラベルが使われていて、記入されたモデル名もJ-200です。

サウンド的には、内部構造が似ているせいか50年代のものに近い感じですが、50年代のものほどパワー感はありません。
しかし、いかにもJ-200らしいサウンドで扱いやすく、結構好きなギターです。

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ギブソン J-200 1977年製 レアなブラック・フィニッシュ
プレスリーが似たような物を使っていました。

イメージ 2
ギブソン J-200 1970年製 過渡期の仕様

イメージ 3
ギブソン J-20 1970年製のブリッジ
アジャスタブル・ブリッジから固定サドルに変更されています。