昨日は、斎藤真一の瞽女の絵について書きました。
で、斎藤真一の本を引っ張り出してきて見たら、結構面白かったので、今日も引き続き書きます。
斎藤真一の本は、絵も素晴らしいのですが、文章も素晴らしいです。
瞽女などの対象を詳しく調べているのは、対象と真剣に向き合っているからだと思います。
そして、それが文章や絵にも表れているから、素晴らしいのだと思います。
そして、伊豆の海岸で写生をしている時に、その絵を見た中年婦人に「まあフジタに似ている」と言われます。
ちなみに、その姪の方は、斎藤真一が渡仏する前に、電車にはねられて亡くなったそうです。
ヨーロッパでは、モーター付自転車で フランスから、ルクセンブルグ、ドイツ、オランダ、ベルギーを周ったり、イタリアへ行ったりしています。
このとき、ジプシーと出会って、その後、ジプシーの絵も多く描いています。
そして。帰国する時に、藤田嗣治に「雪の東北あたりに、絵の主題はころがっているはずだよ。」と言われたそうです。
その言葉に従って青森の弘前を訪れ宿に泊まっていた時、印象的な三味線の音を耳にします。
それが、未だ有名で無かった津軽ジョンガラ節でした。
その対象へ対する愛情が、画家におさまらない活躍になっているのだと思います。
「津軽じよんから」 斎藤真一著 大西書店,
「斎藤真一放浪記」 斎藤真一著 美術出版社