斎藤真一

昨日は、アメリカの有名なイラストレーターのパリッシュについて書きました。
写真では判らなかったのですが、パリッシュの原画はインパクトがあります。

イラストのような絵でインパクトが感じられたといえば、斎藤真一の絵があります。
もっとも、斎藤真一の場合は、写真を知っていて、原画を見て驚いた訳ではありません。

「日本の美術館 名品展」という展覧会がありまして、日本全国の美術館が、各々、所蔵する中からこれはという作品を出展した展覧会でした。
その結果、日本にある有名な作品が一堂に集まって見れたのですが、そこで初めて斎藤真一の絵を視て、すごく印象に残りました。

それは倉敷美術館所蔵の「星になった瞽女みさお瞽女の悲しみ)」という作品なのですが・・・
まるで漫画のようにデフォルメされた瞽女の姿はインパクトがありました。
ダルマのようなずんぐりした姿、巨大な顔と細い手、日本的な落ち着いた色合いの着物なのですが、燃えるような紅色と越後の雪景色・・・

瞽女という存在も、解説で始めて知ったのですが、その悲しみが伝わってきました。
ちなみに、瞽女とは、三味線を手に門付けによって生計をたてる、盲目の旅芸人だそうです。

で、興味を持ったので、彼の作品集「越後瞽女日記」を購入しました。
瞽女に関する研究書といった内容なのですが、さすがに収録されている絵も素晴らしかったです。

ちなみに、昨日紹介したパリッシュの絵ではパリッシュ・ブルーという印象的な青色が特徴なのですが・・・
斎藤真一の絵では印象的な紅色が特徴です。
なんでも、瞽女に取材した時に、幼いころ失明する前に視た夕陽の赤が目に焼き付いている、と言われたことから、瞽女の存在を表すため紅色にこだわっていたそうです。

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「日本の美術館 名品展」 図録

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「星になった瞽女みさお瞽女の悲しみ)」 斎藤新一

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「越後瞽女日記」 斎藤真一著  河出書房新社