昨日は、インド独立の父と言われるガンジーについて書きました。
でも、御存知のように、ガンジーが望んだ形ではインドは独立しませんでした。
そのため、彼の尽力によって制定されたインド憲法では、不可触賎民制度の廃止がうたわれています。
しかし、なかなか不可触賎民の差別はなくならなかったため、アンベードカルは不可触賎民50万人とともに、ヒンドゥー教から仏教へ改宗します。
これが、現代のインドにおける仏教復興運動の始まりとなります。
その彼が、仏教の初心者向けに書いたのが、名著といわれる「ブッダとそのダンマ」です。
以前も書きましたが、日本の仏教は、伝来の間に原始仏教とは大きく異なってしまいました。
もっとも、アンベードカル独自の解釈も多く書かれていますので、本来の仏教とは異なるという批判も多い本です。
この点については、本書の後書きに「もし世尊仏陀が現在の世にいたとしたら、まさにこのような教えを説いて遊行したであろうと思う。」と書かれていますが・・・
もともと、現代のインド人に仏教を広めるという目的を達成するために書かれた本なのですから、これが、現代のインドの状況を反映した、インド人の解釈による仏教と考えれば良いと思います。
そして、奇跡や成仏往生などを排除して、ダンマ(人と人との正しい関係)を説いた一人の人間としてお釈迦様を扱っているので、私たちのような現代の日本人にも理解しやすい仏教入門書だと思います。