ナショナルトラスト

ここのところNGO等について書いてきていたら、日本ナショナルトラスト協会の会報が届きました。
 
ナショナルトラスト運動というと、自然豊かな土地や歴史的建造物などを、みんなでお金を出し合って土地を購入して、開発から保護する活動です。
イギリスが発祥のナショナルトラスト運動については、ピーターラビットの作者のビアクトリス・ポターとの関係で御存知の方も多いと思います。
 
日本でも、色々な地方でナショナルトラスト運動が行われていますが、
私は、特にどこかというこだわりが無いので、中央組織的な日本ナショナルトラスト協会の会員となっています。
 
以前、複数のNGO等のサポーターや会員になっている訳は、個々の団体には長所や短所があるから、と書きましたが、その例がナショナルトラストでもあります。
 
イギリス発祥のナショナルトラストのシンボル的存在が、ピーターラビットで有名なイングランド湖水地方です。
しかし、「ピーター・ラビットの自然はもう戻らない」(マリリン・ロビンソン著 鮎川ゆりか訳 新宿書房)という本によると、湖水地方にはセラフィールドという巨大な核燃料再処理工場があり、核事故や汚染水廃棄などで問題となっているそうです。
そのため、見た目は美しい湖水地方ですが、実際は核物質による汚染がひどいとか・・・
そして、皮肉な話ですが、土地や建物を買うナショナルトラスト運動では、このような汚染に対してはなすすべがないのです。
 
そんな訳で、ナショナルトラスト運動自体は素晴らしい活動だと思い支援していますが、それだけでは不十分だと思うので、環境汚染関係のNGOとかも支援しています。
 
ちなみに、セラフィールドで再処理される核燃料のうち日本の原発による使用済み燃料は1/4程度らしいです。
ひとごとではないのですね。
 
「ピーター・ラビットの自然はもう戻らない」 マリリン・ロビンソン著 鮎川ゆりか訳 新宿書房
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