昨年発売されたバングラデシュのコンサートの50周年記念DVDを観ました。
実は、音源は聴いた事があるのですが、映像を初めて見たら色々と発見がありました。
まず、DVD特典映像のテレビ番組にジョージ・ハリソンが出演してコンサートの話をした部分・・・ワンダー・ホィールというバンドと一緒にジョージがスライドギターを弾いたのですが・・・アコギの弦を切りながらも熱唱していたヴォーカルが、私の好きなスプーキー・トゥースのゲーリー・ライトだったので驚きました。
コンサート自体では、レオン・ラッセル&シェルター・ピープルのギタリストのドン・プレストンがエクスプローラーを弾いていた事にも注目(未だリイシューが出る前だから、22本製造された1950年代のオリジナル)・・・おそらく、これを見て、共演していたクラプトンが後に例のカットアウトのエクスプローラーを購入したのでしょう。
ちなみに、バングラディシュのコンサートの映画は翌1972年に日本でも公開されているので・・・1974年のクラプトン初来日時に、日本のファンは初めてエクスプローラーというギターの存在を知った,なんて言われていますけど・・・多くのクラプトンファンは映画を観ていたので、知っていたと思われます。
クラプトン自身は、ブラウニーとブロンドのバードランドを弾いています。
このバードランドについてクラプトンは、チャック・ベリーが弾いているのを見て憧れていた、と語っていますが・・・チャック・ベリーのはブロンドのES-350T・・・似ているけど違うギターです。
もっとも、今回映像を視て気づいたのですが・・・通常のバードランドはブロック・インレイのポジションマークなのに、クラプトンが弾いていたのは、ES-350Tと同じダブル・パラレログラムのポジションマーク・・・オリジナルだとすると、やはりレアなギターです。
主役のジョージ・ハリソンは、白いストラトキャスターとハープトーンのアコギを弾いています。
この白いストラトキャスターが、11点止め3プライのピックガードなのに、メイプル・ワンピース・ネックなのです。
ギターマガジン総集版「エリック・クラプトン」には、「ブラッキーと生き別れて、クラプトンからジョージにプレゼントされた1本なのかもしれない。もしくはクラプトンを意識したジョージが、自分で同じようなギターを組み上げた可能性もある。」と書かれています。
もっとも、クラプトンが購入したなら50年代のメイプル・ワンピース・ネックと思われるので、ブラッキーの片割れという可能性は少ないと思います。
さらに、ブラッキーのお目見えは、1973年のレインボー・コンサート・・・バングラディシュのコンサートでは未だブラウニーを弾いているし・・・ドン・プレストンのエクスプローラーを見て、自分もエクスプローラーを購入した事も考えると・・・逆にジョージの白いストラトを見て、ブラッキーを組み上げた可能性もありそうです。
ちなみに、ストラトキャスターのローズ指板導入は1959年半ば、3プライのピックガード導入は同じ1959年で数か月遅れ・・・ひょっとしたら、出荷遅れなどで元からこの組み合わせだったという可能性もあります・・・もしオリジナルだとしたら、これもレアです。
なお、上述のテレビ番組でジョージがスライドギターを弾いていたのも、このストラト・キャスターでした。