しきたりの意味

昨日は、高台寺のアンドロイド観音について書きました。
邪道だと言う人もいますが、これまでも仏像は色々な作り方を取り入れて、庶民にアピールするように進化してきたので、こんな取り組みも良いのではないでしょうか?

もっとも、仏教が今の様な形になるには、後年の人によって、権威付けなどの意図によって、様々なしきたり等が付け加えられてきました。
それが、本来の仏教の教えを考えると、はたして意味があるのか?なんて思ってしまいます。
例えば、葬儀などの服装や所作でも、アレコレ言う人がいますが・・・故人をしのぶ思いがあれば、そんなに厳密に拘らなくて良いのではないでしょうか?

そういえば、北枕は縁起が悪いと言いますが・・・インドでの正式な寝方が北枕だそうで・・・インドは暑い国のため、なるべく頭を冷やすために北枕にし、心臓に負担をかけないように右を下(西向き)に寝るそうです。
ちなみに、地磁気の関係からも、北枕にすると血流が良くなり、頭の働きが良くなるという説があります。

で、お釈迦様が入滅した時、北枕で西を向いていたのは、それが正式な寝方だったからなのですが・・・それにならって、亡くなった人を北枕で弔うようになったのが日本に伝わり・・・後年、事情を知らない人が北枕は死者を連想させるから縁起が悪いと言い出したそうです。

仏教に関わらず、色々なしきたりがありますが、本当に意味があるのか?疑ってみるのも良いかもしれません。
そういえば、先日、読んだ記事に「お辞儀ハンコ」というしきたりについて書かれたものがありました。
この年まで企業で働いてきましたが・・・私は技術者だったので・・・このような事務的なしきたりがある事は知らず、へえ~っと思ってしまいました。

なんでも、お辞儀ハンコというのは、稟議書などでハンコを押す場合、作成したヒラの社員は上司の押す欄に傾けて印を押すそうで・・・その上司は、少し傾きを弱めて押し、さらにその上司も傾きを弱めて押し、一番偉い人は垂直に押すようにするそうです。
このようにすると、一番偉い人に向かって、役職の高い順に、印が頭を下げているように見える形になるそうです。

へえ~っと思ってしまいましたが・・・誰が考えたのでしょうか?印を押すと言う本来の意味からは、まったくかけ離れていますね。
ちなみに、私の職場では、電子決済だし・・・かなり前から、サインが一般的で、ハンコって使わなくなってしまいました。
たまに、宅急便とかで送付票にハンコを押すと、知らないうち傾いてしまう事があり・・・一体、自分のハンコは誰にお辞儀しているんだろう?なんて思ってしまいますね。