ステータスを確立すると

昨日は、手塚治虫さんがマンガに対する批判から、大人も納得できるようなマンガを創るように努力した事を書きました。
ところが、一旦、マンガやアニメーションがステータスを確立したら、軽薄なマンガが増えて、それを読む子供じみた大人も増えてしまいました。

ここのところ、知能は高くても分別の無い、精神年齢が低い大人が増えている事について書いてきました。
どちらかというと、私も昔の大人に比べたら、精神年齢が低いと思っています。
この歳になっても、ロックだとかギターだとか言っている事自体、子供じみていますよね。
昔の大人は、たとえ学が無くても分別がありました。

ちなみに、マンガ同様に、ロックも、かつては子供向けの音楽と思われていました。
それが、クリームなどによるアドリブ演奏の素晴らしさにより、大人も納得できる音楽だと知らしめ、ステータスを確立しました。
そして、1970年代になると巨大なショービジネスとなってしまい、今では軽薄なロックも増えてしまったような気がします。

そういえば、今日のテレ朝の「ビートたけしのTVタックル」で、牛丼屋のアルバイトが営業時間に氷を床に投げ、牛丼の具をすくうお玉を股間にあてる動画がネットにアップし問題となった事を取り上げていました。
最近こんなような、分別の無い悪ふざけの動画が増えていますが、これも精神的に子供な大人が増えているせいだと思います。

この動画について、たけしさんが、よくお笑いの若手がアルバイトをしているけど、そもそもお笑いで身を立てようと思っているから、いつ辞めてもかまわないという意識があるんだよな、と言っていました。
そして、この程度では、お笑いとしては全然ダメ、せめて全裸でやるとかしないと・・・なんて言っていました。

そういえば、かつてはお笑い芸人なんて、芸の世界では低く見られていたのに・・・たけしさんなどによる漫才ブームのお陰で、ステータスを確立しました。
そして、お笑い芸人も、悪ふざけのような質の低い芸をする人が増えてしまいました。

もちろん、こうなってしまったのは、需要と供給のバランスで・・・軽薄なマンガ、軽薄なロック、軽薄なお笑い.etc・・・でも、喜ぶ人が多いからなんですよね。
そして、アルバイト店員のおふざけ動画も観て喜ぶ人も増えているのでしょう。