何のための借金?

昨日のNHKスペシャルは、「マネーワールド―資本主義の未来―」シリーズの第3集「借金に潰される」でした。
このシリーズ、これまで現金が無くなるとかやAIやロボットに職を奪われるなど、興味深い内容でしたが・・・今回も、シンプルなタイトル以上に興味深い内容でした。

借金というと、我国の赤字国債を思い浮かべてしまったのですが・・・我国以外でも世界中のあちらこちらが借金に喘いでいるというのが驚きでした。

ところで、赤字国債といえば、今日は、プライマリー・バランス改善のために、来年10月に消費税10%というニュースがありました。
目先の事を考えて、反対する人も多いですが・・・長い目で見れば、いつかは赤字国債を無くす努力をしなければならないので、傷が広がらない内に手当が必要だと思います・・・って、もう遅いかも?

ところで、疑問なのが・・・クレジットカード決済などのキャッシュレスで支払えば2%ポイント還元されるという点・・・日本はキャッシュレス化が遅れているからと言いますが・・・この政策は、大手企業の優遇のような気がします。
その他にも、住宅や自動車購入時の軽減税率など・・・プライマリー・バランス改善では無く、別の目的が隠されているような気がします。

話を、番組に戻すと・・・なんでも、世界の借金の総額は164兆ドル、日本円に直すと1京8500兆円もあるそうで・・・このうち、3割が個人の借金で、残りを企業と政府が半分づつ占めているそうです。
ちなみに、世界全体のGDPは76兆ドルだそうで、借金がそれを大きく上回っていて・・・日本だけでなく、世界的にみても、このまま借金が増え続ければ、経済破綻が起きるのは目に見えているそうです。。

そもそも、資本主義は、借金して投資して利益で回収する事で経済成長しているので・・・借金=経済成長のエネルギーともい言われているそうです。
ところが、最近は、利潤を生まない投資が増えているとか・・・なんでも、経済成長のため、各国が通貨供給量を増やしすぎているのですが・・・先進国は、物が溢れサービスが充実してしまっているため、消費が進まないそうです。

余った資金は、経済成長が進んでいるアジアに流れ込んでいるのですが・・・カードローンの普及などにより、返済できないケースが増えているようです。
番組では、返済能力が無くて、金利の意味も知らない人に、お金を貸し付けるケースを紹介していました。
なんか、シェアハウス投資による不正融資のスルガ銀行を思い浮かべてしまいましたが・・・お金が余っているとはいえ、回収も出来ないところに無理に貸すのは、明らかに異常です。

日本でも、奨学金が問題になっていますが・・・アメリカでも学生ローンが返せない人が急激に増えているそうで・・・若者の消費が減っているそうです。
つまり、借金が消費を後押しせずに、逆に消費を冷え込ます要因になってしまっているのです。

こんな事を続けていれば、寄生虫が宿り主の命を奪ってしまうのと同じで、自身も破産してしまうのが判らないのでしょうか?
分業化が進んで・・・融資する担当は、融資額を増やす事しか考えていないから、こんな事になってしまうのかもしれません。
前回の番組で、銀行の行員の仕事がAIに奪われ始めている話がありましたが・・・はたして金融機関の仕事をAIがするようになったら・・・際限なく融資をしたりするのではないか?なんて心配してしまいます。

もっとも、返済能力以上に借金する人間が賢くないのですよね。
はたして、日本政府は赤字国債をどうするつもりなのでしょうか?日本政府は賢いと信じています。