役人の意識

ニュースによると官公庁で6,300人雇用されているという障害者が、実は2,000人位水増しされていたそうです。
事業主に障害者雇用促進法障害者雇用を義務付けているくせに、官公庁自体が守っていなかった事になります。

意図的に行われたものではなく、判断基準に関する認識が違っていたなんていう、苦しい言い訳をする省庁もありますが・・・そもそも、そんな法律がなくても、行政では率先して障害者を雇用しようとしなければいけないと思うのですが・・・どうもそういう意識はなかったようです。

特に、問題に思うのが・・・一部の官公庁ではなくて、多くのところで水増しをしていたという事実です。
もちろん、皆が意識を通じ合って行ったという訳ではなく・・・それぞれが、独自の判断で行っていたのです。
つまり、今の役人は、それが当たり前という意識を持っているのが普通だという事なのでしょう。
おそらく、本来の国民のために働くという意識は薄れて・・・その組織を守るために働くという意識なのだと思います。

そういえば、もりかけ問題で話題になった、公文書の改ざんや隠蔽・・・これも、そういう意識の表れでしょう。
そう考えると、他の省庁でも、当たり前のように公文書の改ざんや隠蔽は行われているのかもしれません。

なんとなく、昔、読んだ自衛隊の演習の話を思い出しました。
当時は未だソ連の脅威があった時代で・・・ある作家が、北海道で演習を行っている自衛隊を取材した時の事です。
作戦本部で、敵がこう攻めてきたら、こう陣地をはって防御するとか検討しているので・・・住民の安全はどのように守るのですか?と、訊ねたところ・・・住民は、既に自主避難した前提です、と答えたそうです。
それを聞いて、作家は、自衛隊とはその名の通り、自分を守る軍隊なのだ、と思ったそうです。

同様に、いまの官公庁の役人は、国民のために働くのではなく、自分の組織のために働くのでしょう。
たぶん、彼らには、国民がいなかったらお役所も存在しない、という本質を理解できていないと思います。