ジョン・ラセターの作品

昨日は、ジョン・ラセターが今年いっぱいでピクサーを辞める事について書きました。
なんでも、セクハラ問題で、半年間休職している間に、人生を考え直したそうです。

今日も、彼が製作総指揮をとったズートピアが放映されていましたけど・・・不適切な行動は許される事ではありませんが、その才能が惜しまれるところです。

ところで、昨日、書いた事が一部間違っていたので・・・訂正いたします。
アカデミー短編アニメ賞を受賞したのは、「ルクソ・ジュニア」ではなくて、軍楽隊のおもちゃを主人公にした「ティン・トイ」でした・・・本当に、申し訳ありませんでした。

それにしても、この二つ作品に限らず、初期のCG作品・・・スノー・ドームの中の雪だるまを主人公にした「ニック・ナック」とか、中古の一輪車を主人公にした「レッズ・ドリーム」など、どれも素晴らしい作品です。
当時、私も社内テレビの部署に居てCGの制作をしていたのですが・・・初めてこれらの作品を見た時の感動は忘れられません。
皆さまも機会があれば、これらの作品を見てみて欲しいです。

なによりも凄いのが、他の制作者の当時のCG作品は、今見ると色あせてみえるのに、これらの作品は今見ても素晴らしいという点です。

おそらく、未だCGの黎明期だったので、他のCG製作者たちは、いかに技術的に素晴らしい作品を作るかといった事に主眼を置いていたので・・・技術が進歩した現在からみると、陳腐化してしまったのでしょう。
これに対して、ジョン・ラセターの作品は、いかにキャラクターを人間らしくみせるという事に主眼をおいていた点が違っていて・・・それを反映して、ストーリーもヒューマニズムが感じられる作品だったから、色あせないのでしょう。

そして、このヒューマニズムは、その後の彼の作品にも貫かれています。
そういった意味では・・・作品にはアーティストの性格が反映されるのならば・・・彼の本質は、人間味あふれた性格だと思うのです。
そのため、他のMe Too問題の加害者なんかと一緒にしないで・・・復活してくれる事を望んでいるのです。