IoT機器の脆弱性

昨日のNHKスペシャルは「あなたの家電が狙われている~インターネットの新たな脅威~」というタイトルでした。
仕事柄、興味を持って視ましたが・・・普段、IoT機器の脆弱性について言われている事と、それほど変わらない内容に思えました。

番組の初めに紹介されたのが、外出先から家の様子をスマホで見るために安物のWEBカメラを買った家族が、気が付くと勝手にカメラが動き、中国語らしい声を出すようになっていた事例でした。
誰かが遠隔でカメラを操っていたのだろうという事で、調べてみると、プログラムに脆弱性があり、簡単にパスワードが判ってしまうそうです。
巷には、パスワードが設定されていないWEBカメラも沢山あり、店舗や病院等の様子が盗み見られているとか・・・

IoTの脆弱性について、番組では、一緒くたに説明されていましたが・・・2パターンの問題があると思います。
一つ目は、このWEBカメラのように、何者かが、パスワードをクラックしたりしてIoT機器を乗っ取る問題です。
これにより、IoT機器の所有者の生活パターンが知られてしまい、空き巣に入るなど恐れがあります。
さらに、ペースメーカーや自動運転の車の場合など、事故を起こさせたりして、人の命にかかわる問題が起きる可能性があります。

そして、二つ目が、セキュリティ対策が充分でないIoT機器がウィルスに感染して、公共機関等のターゲットに対するDDOS攻撃の踏み台にされる事です。
こちらの問題については、番組では、カブドットコム証券に対する攻撃などを紹介していました。
この場合、IoT機器の所有者は、知らない内に、犯罪の片棒を担ぐことになります。

そういえば、番組を視ていて違和感を覚えたのが、このDDOS攻撃の踏み台にされるIoT機器にルーターも含まれていた事です。
ルーターとか無線LANのアクセスポイントは、DDOS攻撃の踏み台にされる事がありますが・・・普通、IoT機器の範疇に入らないと思います。

なお、Miraiウィルスへの対策プログラム(iotguard)を紹介していましたが・・・シェル・スクリプトだったのでLinux(もしくはUNIX)なのでしょう。
もちろん、プログラム本体はバイナリなのでしょうが、起動するのがシェル・スクリプトという事だと思います。
ほとんどのIoT機器はLinuxなので良いのですが・・・この対策プログラムはルーターでも動くのでしょうか?

といった感じで、内容的にはちょっと?という感じの番組でしたが・・・セキュリティ意識の低いユーザーに警鐘を鳴らすという意味では、意義のある番組だったと思えます。
ユーザーは、IoT機器のセキュリティが万全でないという事を肝に銘じておくことが大切ですね。