その中で、目をひいたのが平成の大仏師といわれる松本明慶さんでした。
訪れた外国人も驚いていたが、事前に木の表面に輪郭などを一切描かず、一気に彫り進めていきます。
その彫るスピードが速いこと・・・
ちなみに、フランスでは、木彫はミスが許されないので、先に粘土等で模型を作って、それからコンパスを使って木の表面に輪郭などを写し取って、それに合わせて彫るそうです。
なんでも、明慶さんは、木の中にいる仏さんが見えていて、それを掘り出しているそうです。
まるで、夏目漱石の「夢十夜」における運慶のようですが・・・要は、左目を彫っているときに右目が見えているので、それに合わせて彫るので、バランスがおかしくなる事はなく・・・正面を彫っているときは、背中のイメージができているので、それに合うように彫るそうです。
また、瞳を彫るときは、拝む人を見つめるように左右の視線が集まる形に目の膨らみを彫るそうです。
それを見ていた外国人が、表情がまるで変った、と言っていましたが・・・まさに、仏像に魂が宿ったような感じがしました。
番組では、木材を取り上げて、この中には座っている仏さんがいる、と言って・・・一木彫りで、3センチぐらいの仏像をわずか10分位で仕上げたのが凄かったです。
かなり幅広の彫刻刀で、細かな部分もザクザクと彫っていたのが、驚きでした。
司会をしていた、爆笑問題の太田さんが「お坊さんよりも、お坊さんという感じがする」と言っていましたが・・・神がかるというか、それだけ高い領域に達していますね。
ちなみに、私が絵を描くとき・・・ある程度、描いたら・・・絵の方から、こう描いてくれ、と言われているような感じがして・・・それに合わせて描くことがあります。
比較の対象にもなりませんが・・・ちょっと、通じるものがあるような気がします。
明慶さんの作品ではありませんが・・・我が家にあった、一木彫りの小さなお地蔵さん
木を手彫りしたものって、なんか雰囲気がありますね