決定的瞬間

昨日は、携帯でカシャカシャと画角とかも考えずにスナップ写真を撮影しているという事を書きました。
そちらの方が、不自然さが無くてライブ感のあるスナップ写真になるような気がします。

このような撮影の仕方をするようになったのは、以前、ビデオ関係の仕事をしていたからのような気がします。
もっとも、ビデオ関係の仕事といっても、社内テレビとか関係先からの依頼によるパッケージ・ビデオの制作なんかでした。

その仕事について、しばらくした時のことです。
未だ、スタジオで三脚を据えてライトを当てて撮影する事が多く、外で撮影する時もじっくり腰を据えてという感じでした。
そんなわけで、画角を決めて、絞り、ピント、ホワイトバランス、マイク音量とかを事前に調整してから、撮影をはじめていました。

そんなある日、確かビル・ゲイツだったと思いますが・・・急に会社に来ることになりまして、その様子を撮影するという事になりました。
ちょうど、先輩が一人だけで、他には私しかいなかったのですが、時間が無いという事なので、私がバッテリー・ライトとかの撮影のサポートをすることになりました。

現地に到着したときです・・・先輩が、いきなりカメラを回し始めたのです。
それから、絞りとかホワイトバランスを調節しはじめたのですが・・・突然、エレベータが開いて、ビル・ゲイツが出てきたのです。
そして、迎えの重役連中と握手をしてから、室内に入って行ったので・・・私たちも後に続いて、社内を案内する様子を撮影しました。

その時、教えられたのは、決定的瞬間は撮影した方が勝ちだということ、いかにピントとか構図が良くても、決定的瞬間を逃したら何にもならない、という事です。
先輩が言うには、音だけでも録れていれば、写真とかイラストに音声をかぶせて誤魔化せるので、無いよりはマシだそうです。

その時の映像は、ちょっとピントや構図が甘かったですが、しっかり握手のシーンが撮れていて、さすが先輩は凄いなぁと感心するものでした。

そんなわけで、いいなぁと思う光景があったら、とりあえず携帯でカシャカシャと撮る事にしています。