NHK
スペシャル「
司馬遼太郎思策紀行 日本人とは何か」という番組をやっていて、興味深く拝見しました。
昨日と今日の2回のシリーズで、昨日は「”島国”ニッポンの叡智」、今日は「”武士”700年の遺産」というサブタイトルがついていました。
実は、
司馬遼太郎の
歴史小説は、若いころ好きで良く読んだのですけど・・・その思想については、あまり詳しく知りませんでした。
歴史小説を書くときも、徹底的に取材するというので有名ですが・・・その視点は、流石に素晴らしいと思いました。
そういえば、鹿児島の
仙巌園にある尚古集成館へは行った事があって、
反射炉の跡も見た記憶があるのですが・・・そんなに高度な技術をオランダの書物を読んだだけで作ってしまったなんて、知ってびっくりしました。
本当に小さい国が、なんでこんなにパワーを持っているのだろうか?という疑問がもたれるように・・・
明治維新で 日本人一人ひとりが力を発揮した理由として、西洋列強の脅威だけでなく、島国ゆえの海の向こうへの憧れや好奇心によるというのは、ある程度納得しました。
ある程度というのは、他にも島国は沢山あるのに、日本だけの特色のように思えるからです。
私は、江戸時代の日本人の
識字率が世界にも類のないほど高かったという事が関係しているよう思えます。
寺子屋やお寺などによって、庶民でも、ある程度知識があったから、
明治維新でも日本人の一人ひとりが力を発揮したのではないでしょうか?
今日の放送でも、秋田の新屋地区で防風林を植えた栗田定之丞について、農民日記を引用していましたが・・・日記を書く農民がいるなんて、当時の他の国ではあまり無いと思います。
そういえば、昔、
小泉首相が言っていたけど・・・
米百俵の精神、つまり「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」という考え方が日本人にはあるような気がします。
また、武士の公の意識というだけでなく、
寺子屋とかで「
儒教」を教えたのも、大きな要素だったような気がします。
江戸時代は、一般庶民が
論語をそらんじるなんていう事もあったようで・・・神仏混合だけでなく、
儒教も日本に入って来て、日本流に解釈されて、中国や朝鮮とは違った倫理観になったような気がします。
司馬遼太郎風にいうと、日本人は無思想という思想があって、柔軟に対応する特色があるようです。