シリア難民

昨日は、潘事務総長が「国連は中立でなく、公平な組織だ」と言ったのは言葉遊びなのか?といったことを書きました。

先日、シリア難民をドイツ等のヨーロッパ諸国が受け入れているというニュースとともに、ドイツに到着して喜ぶ難民の映像が流れていたので、安心していたのですが・・・
今日のニュースによれば、EUの難民受け入れが充分でないので、国連がもっと受け入れを要請したとそうです。
なんでも、EUは16万人受け入れる事を表明していたのですが、自体はもっと緊急で20万人の受け入れが必要だということです。

もっとも、この難民発生の原因となっている、アサド政権と反政府軍、そしてISによるシリア騒乱に対して、国連が有効な対策をとれないのは、それぞれの常任理事国による思惑が大きいからと言われています。
その点から見ると、国連は結果として中立になっているけど、公平でない気がします。

そういえば、昨日のワールドカップの予選で、日本はアフガニスタンに大勝して、次はE組1位のシリアと対戦だということなのですが・・・
シリアの選手って、サッカーなんかやっていて大丈夫なの?ってちょっと気になりました。
そんな感じで、地理的に近いヨーロッパと違って、どうも日本にいると、シリアの現状にピンときません。

もっとも、南米諸国やオーストラリア、ニュージーランドも難民の受け入れを表明しているのに対して、日本は受け入れに積極的でない事を考えると、距離の問題ではないのかもしれません。

今回のヨーロッパ各国の難民受け入れに大きな影響を与えたのが、溺死して海岸に流れ着いたアイラン君の写真だそうですが・・・日本では写真にぼかしを入れて報道されていました。
たしかに、視聴者には気分が悪くなる人がいたり子供に悪影響を及ぼすかもしれませんが・・・
悲惨な現実を認識するためにはぼかしを入れない方が良かったのでは?なんて思います。

どうも、この日本国内の報道の姿勢が、日本人が戦争の悲惨さとかは直視しないで、どこか他人事のように考えてしまう、ひとつの要因なのではないかと思っています。

確かに、外国人移民が増えただけで、様々な問題が発生するのですから、日本に難民が増えたら不都合が生じる事も多いでしょう。
でも、現実に目をつぶり、自分たちだけぬるま湯につかっていれば良いのでしょうか?
国際社会への貢献をするのなら、自衛隊を海外派兵することよりも、難民を多く受け入れる方が先のような気がします。

そういえば、伝記映画が完成したというニュースが流れた、故スティーブ・ジョブズの父親は、シリア留学生だったそうです。
ぬるま湯につかっているのでなく、様々の個性を受け入れてこそ、新しい事が生まれるのだと思います。
シリア難民を受け入れたら、日本でもスティーブ・ジョブズのような人材が生まれるかもしれませんね。