近衛師団

先日、映画「日本のいちばん長い日」について書きました。
今日も、いつものように皇居の周辺を歩いて通勤していたのですけど、そういえば、あの映画の舞台となった近衛師団って、北の丸公園にあったんだよなぁと思い出しました。

ポータルサイトのgooで、昔の航空写真が見れるのですが、それを見ると北の丸公園全域が近衛師団の駐屯地だった事が判ります。
今の緑豊かな憩いの場からは、ちょっと創造できないですね。

「日本のいちばん長い日」の元になった宮城事件で、クーデター将校に森赳中将近衛師団長が殺害された近衛師団司令部は、現在は国立近代美術館工芸館となっていています。
建物の前には、前衛的なオブジェが置いてあり、こちらも、そんな事件があったなんてちょっと想像しづらいです。

映画では、玉音放送原盤を探すため、偽の師団長命令で近衛師団が皇居へ入るのですが・・・
そのとき通るのが、近衛師団と道を挟んで向かいにある乾門です。
こちらも、門自体には変わりがないのですが・・・前に首都高の出入り口が出来てしまって、かなりイメージが変わっています。

そして、駐屯地の広場で近衛師団の行進を見守っていたのが、北白川宮能久親王銅像です。
こちらも、現在は木々に囲まれて、かなり雰囲気が変わっています。

これだけ木々が生い茂ったという事は、70年という時代の流れを感じますし、それだけ平和であったという事なのですね。、

そういえば、北白川宮能久親王について調べてみたら、台湾征討近衛師団長だったのですが現地で病死した方だとわかりました。
でも、この人、明治維新では彰義隊に擁せられて上野の山に立てこもり、その後、東北へ逃げて奥羽列藩同盟の盟主となったそうで、後に許されたとはいえ、元は朝敵だったそうです。
そのころ、勝手に東武天皇として即位したという説もあるようで、なかなか興味深い人物ですね。

南朝の武将だった楠正成といい、皇居の周りにある銅像は、天皇家からみると必ずしも縁起の良い物ではないみたいですね。

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緑豊かな北の丸公園

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国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)
手前は首都高

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皇居の乾門の前には首都高の出入り口