1980年代初めのマーチン

昨日は、写真撮影のため運搬中に、ギター談議で盛り上がった事を書きました。

マーチンのグレードによる音色の違いは、ブレイシング等によるトップの調整によるものだという事がよく言われていますが・・・
そのギターに詳しい担当者の方によると、トップを貼り替えたら、まるっきり音が変わったそうです。
で、D28とD45の違いも、材質の違いと言うよりは、トップのチューニングによる影響が大きいと言っていました。

D45はお持ちですか?と訊かれたので、1980年製のを1本持っていると答えたところ・・・
1980年代初めは人気が無いですが、リストラ前の古い職人が作っていたので、実は良い物が多いと言っていました。

実は、その話については、私も以前から知っていました。
1980年代はアコギの人気が無くて、ギブソンなんかはアコギの製造をやめていました。
マーチンも製造本数の減少により、大勢の職人が辞めたそうですが、その中には戦前からマーチンで働いていたベテランも多かったそうです。

やがてアンプラグド・ブームで、アコギの製造本数は復活するのですが・・・
さすがにマーチンだけあって、管理が行き届いていてクオリティは落ちていなかったのですが、多くの職人が変わった影響で、サウンドは現代的な感じになっていました。
もちろん、それも良いサウンドなのですが・・・
もし、60年代~70年代と続いてきたサウンドが好みでしたら、ベテラン職人が少数のギターを手間をかけて作っていた1980年代初めマーチンを試してみても良いと思います。

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マーチンD45 マンドリン・ブラザース 1980年製

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マーチンD45 マンドリン・ブラザース 1980年製のバック

私のD45は、アメリカの有名な楽器店マンドリン・ブラザースが91本オーダーした物の一本で、戦前のオリジナルD45に僅かに存在するべっ甲柄ヘッドを再現しているのが特徴です。
戦前のオリジナルD45のリイシューとしては始めての物ですが、現在の物に比べると復刻度は今ひとつです。
でも、戦前からのベテラン職人が作っていたせいか、サウンド的には、現在の物よりヴィンテージ感があります。