ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

先日、キューバ革命について書きましたが・・・
キューバで思い出したのが、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」というアルバムと映画です。

ギタリストのライ・クーダーが、1959年のキューバ革命以前のキューバ音楽を聴いて興味を持ったのがきっかけで、キューバに渡って、その当時のミュージシャンを発掘して、一緒にアルバムを作ったのが、1997年発売の「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」です。
ライ・クーダーは、それ以前にもハワイ音楽や沖縄音楽なんかも発掘して世界に紹介していますね)

哀愁を帯びたキューバ音楽はとても印象的で、このアルバムは世界中で大ヒットを飛ばしたました。
そのおかげで、ライ・クーダーの旧友でもあるヴィム・ヴェンダース監督により、2年後にドキュメンタリー映画が製作されて、こちらもヒットしました。

この映画は、アルバムを制作したミュージシャンの暮らしやインタビューから、アルバムがヒットしたお陰で行われたオランダツアーの様子、最後にニューヨークのカーネギー・ホールでのファイナルといったドキュメンタリーになっています。

御存知のように、キューバは革命以前はアメリカの半植民地であり、それ以前はスペインの植民地でした。
最近は、キューバの映像も珍しくありませんが・・・
この映画が公開された当時は、スペイン植民地時代の建物やアメリカン・ヴィンテージ・カー等、革命以前の暮らしがそのまま残っているのが凄く印象的でした。

ちなみに、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブというのは、革命以前に実在したクラブで、毎晩のように演奏とダンスが行われていたそうで・・・・映画の最初には跡地を探す場面があります。

また、ニューヨークを訪れたキューバの老ミュージシャンたちが土産物店を覗いて、マリリン・モンローとかの過去の有名人の人形を発見します。
「おい。みんないるぞ」
「あれは誰だ?」
「さぁ、知らない」
それは、ケネディ大統領の人形でした。
なんとなく、象徴的ですね。
この映画を見ると、音楽には、国とか政治とか関係ないのがよく判ります。

最近、オバマ大統領とラウル・カストロ議長により、アメリカとキューバの関係は改善しますが、このアルバムや映画に参加した老ミュージシャンたちの多くは既に亡くなっています。
よくぞ、手遅れになる前に、ライ・クーダーは彼らに脚光を当ててくれたと思っています。

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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」 CD&DVD WEAインターナショナル、株式会社バップ
(木製ケース入り、CDとDVDのボックス・セット)